2027年開業が絶望視されるリニア中央新幹線をめぐり、推進派と慎重派のせめぎ合いが続いている。岸田文雄首相は年頭記者会見で2023年を「全線開業に向け、大きな一歩を踏み出す年にしたい」と宣言したものの、環境への影響を懸念する静岡県の川勝平太知事は、静岡工区の着工を認めず、国家的プロジェクトが宙に浮いた状態にあるのだ。東京(品川)と名古屋を約40分で結ぶ「夢の超特急」の早期開業は、このまま “夢” に終わるのか。経済アナリストの佐藤健太氏は「膠着(こうちゃく)状態が続くことになれば、政府・自民党は2025年に勝負をかけざるを得ないだろう」と指摘する。そのワケとは――。 川勝知事の “徹底抗戦”、いまだ具体的な開業見通し示せず 「静岡工区に着手できず、名古屋までの開業時期の見通しを立てることができない状態は残念でございます」。JR東海の金子慎社長(当時)が記者会見で無念の表情を浮かべたのは今年