きょうは「地図の日」。別名「最初の一歩の日」とも。1800年閏(うるう)4月19日、正確な地図を作るため、伊能忠敬が蝦夷地へ測量に出発したことにちなむ ▼それから足かけ17年。伊能は北海道から九州まで日本全国を歩き尽くして実地測量した。道も整備されていない当時のこと。旅は苦難の連続だったという。測量した距離は約4万キロ。地球1周分を歩いたことになる ▼商人として成功した伊能は49歳で家業を譲り、関心があった天文学や暦学を熱心に学んだ。日食や月食の観測には地球の大きさを正確に知ることが不可欠だった。伊能は江戸から蝦夷地までの距離と星の角度を実際に測量しようと決心した ▼国防上、正確な日本地図の必要を感じていた幕府は、伊能に測量の許可を与え、蝦夷地の地図作製を命じた。ここから、井上ひさしさんが「四千万歩の男」と呼んだ伊能の偉業が始まった ▼その成果が「大日本沿海輿地(よち)全図」だ。日本初の実