本書の問題意識というのは「エピステーメー」の説明リンク先にあるような単純な進化論的視点、知の単線的進化論的視点への相対主義も含み、同時にエピステーメーとしての「科学」がいかに偶然的に時代を代表する知の体系となっていったか、ということを改めて素描しなおしているところにある。 大事なのでもう一度言うけど「進化ではなくて適応」であり「必然ではなくて偶然」なのだ、現在我々の居る科学文明とは。 科学とは科学的なエピステーメー(理論)と、その樹形図的知識を掘り下げていく技術的な知の実践といえる。前者は数学(抽象言語)や自然言語によって論証過程を経た後「科学理論」として体系づけられ、後者は実験やそれぞれの専門職でしかるべき過程を経た後に実証されていく。後者の「しかるべき」過程が複雑なため専門的な知識、すなわち技術的な知識が必要となる。 一部の理系は「科学=実験的実証」としての認識しかないため後者の過程ぐ