ジャケットいっぱいに広がる満開の桜と、向かって左上にデザインされた「東京」の文字── 1996年にリリースされたサニーデイ・サービスのセカンド・アルバム『東京』は、ファースト・アルバム『若者たち』で注目を集めはじめていた彼らへの評価を決定的にした作品として知られている。サニーデイ・サービスというバンドの代表作であり、リリースから10年が経ったいまも、フェイバリットに挙げる音楽ファンは多い。 10月6日にリリースされる曽我部恵一の『東京コンサート』は、その『東京』の全曲を、歌とアコースティック・ギターだけで再演したライヴ・アルバムだ。それは、“10年目の『東京』”であり、“新しい『東京』”であり、“たったいまの『東京』”でもある。『東京』を聴いたことがなくても、曽我部恵一の新作として楽しめる作品である一方、『東京』を愛してやまないという人、特にリアル・タイムで聴いていた人にとっては、さま