■漫才とコントの定義 古来より(?)、漫才において架空世界への導入はボケの役割だった。ボケは架空世界の枠内で異常なことを行い、ツッコミは世界外から超越的にボケの言動を批判した。架空世界の中にいるのはボケだけであり、ツッコミはそれにしぶしぶ付き合っているといった体裁で自己の特権的な位置を守った。 コントにおいては、ツッコミもまた架空世界の中にいる。TVを見るお茶の間の目線の変化によって、「架空世界内にいるツッコミ」では視聴者とシンクロできなくなり、コントという形式自体が崩壊した。何が原因かは知らないが、視聴者はコントが作り出す架空世界の中にはもはや入ってきてくれなかった。後期ダウンタウン(ボケっぱなし、ツッコミ不在)、リチャードホール(ツッコミは顔を背けて笑うだけ)を経て、コントそのものがどこかに消えた。 Permalink | コメント(0) | トラックバック(0)