音楽、演劇、美術などの分野で優れた評論を発表した人に贈られる第25回吉田秀和賞(水戸市芸術振興財団主催)の受賞者が31日、「後(ご)美術論」(美術出版社)を書いた美術評論家の椹木野衣(さわらぎのい)さん(53)に決まった。賞金200万円。贈呈式は11月20日、水戸芸術館で。
来年閉館予定で、建物の保存を求める声が出ていた神奈川県立近代美術館鎌倉館(鎌倉市雪ノ下)について、県は10日、本館棟を保存する意向を明らかにした。本館棟を保存した上で、県と敷地を共有する鶴岡八幡宮に引き継ぐ方向で調整しているという。 同館は、モダニズム建築の巨匠、ル・コルビュジエに師事した坂倉準三氏が設計し、1951年に開館。戦後日本のモダニズム建築の傑作とされる。県は八幡宮との借地契約が切れる来年3月末までに閉館し、更地にして土地を返還することになっていた。県民から保存を求める声が多数寄せられたことなどを受け、保存を決めたという。 県によると、八幡宮側は文化的な施設としての活用を検討。ただ、耐震工事は必要で、県と八幡宮側で経費負担などを協議していく。 新館棟と学芸員棟は、老朽化が進んでいることなどから、取り壊す予定だ。
2020年東京五輪のエンブレム使用を大会組織委員会が取りやめた事態を受け、群馬県太田市の清水聖義市長と幹部職員が1日、来年秋に開設される市立美術館・図書館のロゴについて協議した。五輪エンブレムと同じく佐野研二郎氏が手がけたデザインで、他人の作品に似ているといった意見がメールなどで市に寄せられていた。清水市長は「とても良いデザインなので、変えない」と述べ、商標登録する方針を確認した。 市は美術館と図書館を併設する新施設の愛称を「おおたBITO」と決め、設計を発注する際、東京の設計事務所にロゴの作成も委託した。佐野氏はこの事務所に依頼され、下請けの形でロゴのデザインを担当したという。 市によると、ホームページでロゴを公表した今年夏以降、米国やインドネシアに類似のデザインがあるといった指摘がメールやソーシャルメディア経由で寄せられるようになった。五輪エンブレムをめぐる騒動も大きくなり、元請けの設
2020年東京五輪のエンブレムの使用が取りやめになったデザイナーの佐野研二郎氏をめぐり、新潟県立近代美術館(同県長岡市)で11~12月に予定されていた作品展が延期になったことがわかった。 展覧会は、佐野氏が今年、第17回亀倉雄策賞に選ばれたのを記念して開かれ、11月20日から12月13日の日程で約50作品が展示される予定だった。亀倉雄策は同県燕市の出身で、1964年東京五輪のエンブレムを手がけたことで知られる。 賞の事務局を担当する作品展の共催者の日本グラフィックデザイナー協会(東京)によると、佐野氏側から8月、「報道が過熱している中で作品展を開くと、関係者に迷惑がかかる」と延期の意向を伝えてきたという。
東京都現代美術館(東京都江東区)の子ども向けの企画展で、現代美術家・会田誠さん一家による展示に対し都と美術館が問題視している問題で26日、都生活文化局の担当者が取材に対し、「会田さんの展示について、美術館の方から、子ども向けとしてはどうかと相談を受けた」などと説明した。 企画展は18日から開催中の「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」展。同局の文化施設担当課長によると、内覧会があった17日時点で館側から相談があったといい「『確かにそうですね』と話した。具体的にどの作品ということではなく、全体の雰囲気としてお子さんには難しいのかなと感じた。もうちょっと親しみやすさが出ないかと思った」などと説明。改変については、館から作家に相談する方針だと連絡を受け、適切な対応だと感じ同意したとしている。 市民が館に寄せた意見1件については、「都側としては(改変要請の)理由にしていない」とした。 会田
東京都現代美術館(東京都江東区)で開催中の子ども向けの企画展で、現代美術家・会田誠さん一家による文部科学省批判を書いた作品など2点に館側が改変を要請している問題で25日、館事業推進課の担当者が取材に応じ、「批判的だから内容を変えて欲しいということではなく、どう子どもに親しみやすくできるか話し合っている」と説明した。 企画展は18日からの「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」展。会田さん家族3人が学校制度への不満などを「文部科学省に物申す」などとして書いた作品「檄(げき)文」と、首相に扮した会田さんがたどたどしい英語で演説する映像作品の2点を、館側が問題視している。 館側は問題視の理由を「結論が出ていない」などとし明確な回答を控えた。「檄文」は言葉の選び方なども含めて議論してきたといい、作品を尊重しつつ決着点を見つけたいとした。 一方、会田さんは25日夜、ネット上に文章を掲載し、館の
この夏、安倍晋三総理大臣が戦後70年に際して発表すると報道されている談話について、日本国内でも海外でも強い関心が寄せられております。 下記に名を連ねる私共国際法学、歴史学、国際政治学の学徒は、日本国の一員として、また世界に共通する法と歴史と政治の問題を学問の対象とする者として、この談話にかかわる諸問題について多年研究に携わってまいりました。 私共の間には、学問的立場と政治的信条において、相違があります。しかしながら、そのような相違を超えて、私共は下記の点において考えを同じくするものであり、それを日本国民の皆様と国政を司る方々に伝え、また関係する諸外国の方々にも知って頂くことは、専門家の社会的責任であると考えるに至りました。ここに以下の所見を明らかにする次第です。 (1)戦後70年という節目に表明される総理談話は、なによりもまず、大多数の国民が飢餓に苦しみ、多くの都市が灰燼に帰していた194
東京都港区にある日本スポーツ振興センター(JSC)3階の新国立競技場設置本部は、深夜まであかりが消えない日がつづく。 7日の有識者会議で2520億円に膨らんだ計画にゴーサインが出てからも、職員は連日、国会答弁の準備に追われる。8日午後は抗議電話が殺到し、7本の電話回線がふさがった。「終電で帰り、風呂でも入って出直して来いとは言うんですが。徹夜する職員もいます」。高崎義孝・総務部運営調整役はいう。 大成建設との最初の契約(約33億円)がまとまった9日も、鬼沢佳弘理事らが参院の文教科学委員会に呼ばれ、野党議員から計画のずさんさを糾弾されつづけた。「財源確保の見通しはあるのか?」「今、契約してはダメだ」。紆余曲折(うよきょくせつ)の末に出港したはずの船が、猛烈な逆風を受けて座礁しているように映る。 2012年ロンドン五輪の主会場の4倍近いともされる建設費を押し上げるのが、コンペで採用されたザハ・
15日に記者会見した長谷部恭男・早大教授と、小林節・慶大名誉教授の発言詳報は次の通り。 ◇ ◆長谷部氏 集団的自衛権行使容認の違憲性の問題。集団的自衛権の行使容認をした昨年7月1日の閣議決定は、合憲性を続けようとする論理において破綻(はたん)している。自衛隊の活動範囲についての法的安定性を大きく揺るがすものだ。それから日本の安全保障に貢献するか否かも極めて疑わしいと考えている。 憲法9条のもとで武力行使が許されるのは個別的自衛権の行使、すなわち日本に対する外国からの直接の武力行使によって我が国の存立が脅かされ、国民の生命及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険が切迫している場合に限る。これが政府の憲法解釈であって1954年の自衛隊の創設以来変わることなく維持されてきた。 集団的自衛権の行使は典型的な違憲行為だ。憲法9条を改正することなくしてはありえない。これも繰り返し(従来の)政府に
パナソニックが、2015年度中に住宅向け蛍光灯器具の生産を終える。政府は20年までにすべての照明を省電力のLED(発光ダイオード)製にすることをめざしている。照明国内首位のパナソニックが業界の先陣を切ることで、家庭の蛍光灯がLEDになる流れが進みそうだ。 すでに照明器具メーカー各社は、LEDに大きくシフトしている。パナソニックの場合、国内の住宅向け照明器具ではLEDが8割(出荷ベース)。節電意識の高まりや価格下落で、普及が進んだという。 蛍光灯器具の生産を終える理由について、ライティング事業部の植田豊志グループマネジャーは「導入時の初期費用でも、LEDは蛍光灯と同水準に下がってきたため」と話す。ただ、すでに器具を持つ消費者の交換需要があるため、蛍光灯自体の生産はしばらく続ける。 パナソニックは13年秋以降、東芝ライテックや日立アプライアンスは12年度から、蛍光灯器具の新製品を開発していない
日本の歴史家を支持する声明 下記に署名した日本研究者は、日本の多くの勇気ある歴史家が、アジアでの第2次世界大戦に対する正確で公正な歴史を求めていることに対し、心からの賛意を表明するものであります。私たちの多くにとって、日本は研究の対象であるのみならず、第二の故郷でもあります。この声明は、日本と東アジアの歴史をいかに研究し、いかに記憶していくべきなのかについて、われわれが共有する関心から発せられたものです。 また、この声明は戦後70年という重要な記念の年にあたり、日本とその隣国のあいだに70年間守られてきた平和を祝うためのものでもあります。戦後日本が守ってきた民主主義、自衛隊への文民統制、警察権の節度ある運用と、政治的な寛容さは、日本が科学に貢献し他国に寛大な援助を行ってきたことと合わせ、全てが世界の祝福に値するものです。 しかし、これらの成果が世界から祝福を受けるにあたっては、障害となるも
宇宙から降ってきた物体、UFOの飛来する未来都市、敵と戦うアニメ風キャラ――。福岡市で開催中の「第5回福岡アジア美術トリエンナーレ2014」では、そんな作品が目を引く。アジアの現代美術を集めた国際展だけれど、これってアート? それともサブカルチャー? 空から落ちてきた未知の球体のようなメヘリーン・ムルターザ(パキスタン)の「深宇宙天体」。未来都市を、実在する風景の動画を組み合わせて山水画風に構成した楊泳梁(ヤンヨンリァン、中国)の「極夜之昼」、架空の微生物が増殖するさまを映像で表現したローヒニー・ディベーシャル(インド)の「血統」。 SFチックで国籍を感じさせない作品は、すぐに目につくだけでもこれだけある。会場の福岡アジア美術館(福岡市博多区)を見渡せば、アジア21カ国・地域の美術家36組のうち20組が映像を使い、アニメーションも多い。 極めつきは、日本のアニメや漫… こちらは有料会員限定
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