昨今、美術館の魅力が見直され、ブームになりつつあるという。主要な客層である中高年はもちろん、若い層でも展覧会に足を運ぶ人が増えてきており、ここ数年、日本の主要美術館の来館者数は高い水準で推移している。 記憶に新しいところだと、東京都美術館(台東区)で昨年4月から5月にかけて開催された「生誕300年記念 若冲展」は、わずか1カ月で約45万人を集客。待ち時間は、なんと最長で320分にも及んだというから驚きだ。 さて、人々が美術館に出向く大きな理由は、やはり貴重な美術品に出合えるからだろう。そんな貴重な作品の数々は当然、何者かが不用意に触れて傷つけてしまわないよう、厳重に管理されているはずである。ポルトガル・リスボンの国立古美術館では昨年、観光客が展示物の彫像をバックに“自撮り”を試みたところ、彫像と衝突し破壊してしまったそうだが、日本では考えにくいことだ。 ただ、どんな展覧会にせよ、その美術品
間もなく誕生から40年を迎えるロボットアニメの金字塔、ガンダムシリーズ(本当はロボットじゃなくてモビルスーツ)。新作が作られるたびに常にアニメ界の話題の中心となる昨今ですが、シリーズ開始から10年が過ぎた1990年代は曲がり角というべき季節を経験しました。 テレビシリーズ空白の6年 1987年1月に「機動戦士ガンダムZZ」が終了して以降、TVシリーズとしてのガンダムは6年に及ぶ空白期間が生まれました。 この間、1stガンダムに連なる宇宙世紀のその後を描いた「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」、「機動戦士ガンダムF91」の2本の劇場版と、OVAとして一年戦争の外伝「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」、一年戦争終結から「機動戦士Zガンダム」の年代の間を埋める「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」、さらに「0083」を再編集した劇場版「機動戦士ガンダム0083 ジオ
「アニメーションの監督と演出と絵コンテ。名前はよく聞くけど、どういう職種なのかいまいちわかりません、違いを教えてください」 開演前に客席に配られていたアンケートでは、こういう質問が過半数を占めるという。 出演者からも「意外と知らないんだね」という声が上がっていた。アニメファンであってもよくわからない仕事、それが監督なのか。 ここは新宿ロフトプラスワン。 客席からの質問を読み上げたのは「美少女戦士セーラームーン」「おジャ魔女どれみ」「ファイ・ブレイン 神のパズル」「たまゆら~hitotose~」の佐藤順一監督。 4月15日(日)に行われた「池Pプレゼンツvol.15アニメ講義5時限目~監督って何するの~?」の一コマだ。 「カレイドスター」や「ロミオ×ジュリエット」の池田東陽プロデューサーや佐藤順一監督が毎回授業形式でアニメについて語っているこのイベント「アニメ講義」。第5弾となる今回のテーマ
「なぜそうも簡単に人を殺すんだよ! 死んでしまえ!」 直情的な男、カミーユ・ビダン。相手が上官であっても女であっても、腹が立ったら即殴る。 『機動戦士Zガンダム』は、登場人物がよく殴り、殴られる。数えてみたら全50話で81発だった。いったい誰がどれだけ殴られているのか。 集計結果をTOP10形式で紹介していく。カウントのルールは以下の通り。 ●ランキングは殴られた回数で決定。 ●キック・チョップも回数に含む。一本背負い・物を投げる・武器を使うのは無効。 ●視認できたものだけをカウント。音しか聞こえない画面外のやり取りは無効。 ●名前が設定されていないモブキャラは対象外とする。 第10位 マトッシュ(憲兵隊の人) 第1話で暴力事件を起こしたカミーユを取り調べた男。生意気な態度のカミーユに分厚いファイルを投げつけた仕返しでハイキックを受け、壁に顔をぶつけてしまった。 1発もらって10位にランク
新国立競技場の話をしていて、坂の口から驚くような言葉が飛び出した。 「あのコンペに僕も案を出したんですよ。見事に落ちましたけど(笑)。神宮の森と競技場を溶け込ませる配慮は当然です。規模も小さくなります。それは、僕だけじゃなく、他の提案者もしています。当たり前のことなのです。 そのうえで、僕の案は、予算(当初の予定価格は1300億円)の8割ぐらい。もっと簡単にドームの開閉ができるプランです。従来の開閉式ドームは、建設にもメンテナンスにもすごくお金がかかる。一回一回の開閉が大変で、時間もかかります。そこを簡単な構造で、スピーディにできるようにしました。オリンピック用の競技場って、競技結果を公式記録とするために地面の風速は秒速何メートル以下とか、厳しい基準があるんですけど、そのコントロールもできるシステム。既存の技術で可能です。詳しく喋ると真似されちゃうので言えませんが、今度、どこかで競技場のコ
ガンダム・シリーズの生みの親である富野由悠季監督の新作『ガンダム Gのレコンギスタ』(以下『G-レコ』)の冒頭10分間が配信された。 同作品は8月23日から9月5日まで第1話〜第3話をまとめた特別先行版をイベント上映し、10月よりMBSほか「アニメイズム」枠でTV放送が始まるという予定。 これらに先立つ冒頭10分の配信で、ついに『G-レコ』という作品の一部がベールを脱いだわけだが、これが実に濃密なのだ。お行儀のよい「説明」を重ねるのではなく、観客を作品世界の中に放り込んで、現場に立ち会わせるような感覚がある映像。この語り口こそ、富野演出。 というわけで、ここでは『G-レコ』の冒頭10分をつぶさに見ながら、富野監督の演出術のポイントを解説したいと思う。 具体的な解説の前に、あらすじだけ簡単に説明しておこう。 宇宙移民と宇宙戦争の歴史となった宇宙世紀が終わり、長い時が経った。新たな時代、リギル
シカゴ現代写真美術館、そしてニューヨークのジェンキンズ・ギャラリーで今月末まで「ラブホテルズ」なるエキシビションが開催され話題をよんでいる。 タイトル通り、ラブホテルの写真、しかも“日本の”を集めた写真展である。 公立学校で英語の先生として8カ月を日本で過ごした、というフォトグラファーのミスティー・キースラーさん(女性:29歳)が、撮影したラブホテルの部屋シリーズだ。 「京都に住んでいた時には、桜や富士山の写真を撮ろうとしていたんだけど、その手の写真は、凄く良い写真がすでにあるでしょ。私には典型的な日本の写真は撮れないっていうのもわかったのね。 ロンリープラネット(旅行ガイド)に出ていたラブホテルというものを知って、こんなの絶対にアメリカにはないし、これを撮ってみたい、と思ったの。 滞在日数も残り少なくなってきて、自分にハッパをかけながら、一件のラブホテルに入っていったの。そこから、このラ
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