人間と他の動物とを分けるものとは何か?この問いに対する最大の答えは「文字」ではないだろうか。文字を生み出したことにより、人は人という種がどの様な過去を築いて現代にいたっているかを知ることができる。本書は文字が発明された5000年前から現代までに焦点を絞り、その歴史を「人類5000年史」と定義して一気に読み進めようという冒険的な作品である。 なんといっても5000年にも及ぶ、世界の歴史をわずかニ巻で読み進めようというのだ。その疾走感は半端ではない。例えて言うならば、ドイツにあるような速度無制限のアウトバーンをアクセル全開で走り抜けているような感じだろうか。しかもこの道ときたら、時に東に西にと大きくカーブし、上り坂に下り坂まで存在する。そうかと思えばひたすらアクセル全開で走れる直線が現れる。読者はステアリングがクイックな高性能スポーツカーでこの歴史街道を疾走するのである。 本書に素晴らしい疾走