今年9月に発売された元川悦子著「黄金世代」は、99年ワールドユース準優勝、00年シドニー五輪ベスト8、02年ワールドカップベスト16など輝かしい成績を残した日本の黄金世代の選手たちと、日本サッカーのその後を振り返った1冊だ。 あれから10年、日本サッカー界はどの世代に於いても彼らの残した結果を上回ることはできていない。当時以上の育成環境と素材が集まっているはずの今、なぜ日本サッカーは結果を出せないでいるのか。著者の元川悦子さんに話を聞いた。 黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 【停滞した日本サッカーの状況に渇を入れたい】 --まずは、なぜ今、黄金世代を扱った本を書こうと思ったのでしょう。 元川 本のタイトルを見ると「黄金世代の礼賛本か」と思われる方も多いでしょうが、そうではありません。私は15年間日本サッカーの取材をしていて、最近の停滞感を危惧しています。何とか今の