**研究者の執念 「経営の神様」とも呼ばれるパナソニック創業者の松下幸之助は数々の名言を残しているが、その一つに次のようなものがある。 「執念ある者は可能性から発想する。執念なき者は困難から発想する」 確かに、目標や目的に対し、たとえば「部長は勇ましいこと言っているけど、現場を知らないからだ。そんなの無理に決まってるでしょ」とか言いながら渋々取り組んでいても、なかなか達成はできないだろう。ちょっとした困難にぶつかったら、すぐにあきらめてしまいそうだ。 しかし、たとえ1%の可能性しかなくても、粘り強く試行錯誤を繰り返していけば、何かのきっかけで成功したりするものだ。漫画『SLAM DUNK』からよく引用されるように「あきらめたらそこで試合終了」なのである。 「執念」が偉大な発見やイノベーションに結びついたエピソードは枚挙にいとまがない。電球の発明に使うフィラメントに何千もの素材を試したトーマ