【大岩ゆり】受精前の卵子を壊さずに、筋ジストロフィーなど数千種類の病気を起こす染色体や遺伝子の異常を一度に見つける方法を、米ハーバード大と北京大の研究チームが開発した。9割以上の精度で異常を見つけることができた。チームはこの手法で「より健康な卵子」を選んで体外受精で出産する臨床研究を始めるという。専門家は生命の選択につながると懸念している。 新手法は、妊娠後に行う出生前診断と違い、診断結果で中絶せずに済む。受精卵の一部を取り出して調べる着床前診断とも違い、受精卵を傷つけずに済む。しかし、新手法は体外受精が不可欠だ。また、親が好む容姿や才能をもたらしそうな遺伝子の卵子を選んで赤ちゃんを作る「デザイナーベビー」を現実化する技術だとの懸念の声もある。 検査には卵子のもとになる「卵母細胞」を使う。成熟して卵子になる途中で細胞の外に排出される染色体のDNAをすべて分析し、卵子に残る染色体や遺伝子の異
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