高速道路網の整備、大都市への人口集中による地方の過疎化、移動手段の変化……。さまざまな理由が重なり、戦後から現在に至るまで、およそ400もの鉄道路線が“廃線”となり、輸送手段としての役目を終えた。 一方、日本の鉄道の歴史には、計画されたものの、一本の電車も走らずに終わった路線、つまり“廃線”すら叶わなかった路線も数多く存在し、それらは“未成線”と呼ばれる。経済的な問題であったり、軍事目的で計画されたものの終戦で当初の目的が失われたり、政治的な兼ね合いであったり、完成に至らなかった理由はさまざまだ。 “未成線”巡りという愉しみ そんな“未成線”巡りがにわかに注目を集め始めているのだ。