Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 筑波大学と北海道大学に所属する研究者らが発表した論文「音漏れ信号を用いたヒアラブルデバイス向け手形状認識手法の検討」は、イヤフォンの音漏れを利用して耳を覆いかぶすように手を添えてハンドジェスチャー入力を行う手法を提案した研究報告である。イヤフォンからの音漏れが添えた手に反響し、その反響音のパターンを機械学習モデルで分類することで手の形状を識別し、入力に利用する。 イヤフォンの多くは、スマートフォンなどのデバイスと接続して制御するのが一般的である。感圧センサーや静電容量センサー、物理ボタンなどをイヤフォン本体に整備してイヤフォンのみで操作できるデバイスもあるが、デザインに制約が生じたり手袋を