『新釈漢文大系』58年かけ完結 「人は死んでも本は後世に残ると思うと、感慨深いです」と語る加藤徹・明治大教授(東京都新宿区の明治書院で)=奥西義和撮影 主要な中国古典の原文、訓読、注釈を網羅した『新釈漢文大系』(全120巻、別巻1)が、58年をかけて完結した。いかめしくもある各巻は、一般読者にはとっつきにくい印象もあるが、実際はどうか。中国文化学者で本紙読書委員の加藤徹・明治大教授に、読みどころを聞いた。 加藤・明治大教授に聞く 出版元の明治書院(東京都新宿区)の応接室。ずらりと並べてもらうと、加藤さんの目が輝いた。「ほぼ60年で完結したということは、人間で言えば還暦に近い。昭和が半分、平成が半分ですよね」と、感慨深げだ。 執筆にのべ134人の研究者が参加した大プロジェクトは先月、『白氏文集(はくしもんじゅう) 十三』が刊行されて完結を迎えた。枕草子で清少納言が、「文(ふみ)は文集(もんじ