→紀伊國屋ウェブストアで購入 『舞姫』のエリスのモデル、エリーゼ・ヴィーゲルトをつきとめた『鷗外の恋 舞姫エリスの真実』の続編である。著者がついにエリーゼの写真にまで行き着いたことは新聞の報道などでご存知だろう。本書はこの奇跡ともいえる発見の顚末を語っている。 前著のしらみつぶしの調査の後でまだ調べることが残っているのだろうか、周辺的事実の落ち穂拾いで終わってしまうのではないだろうかと危惧して読みはじめたが、はたして370ページのうち最初の270ページは心配したとおりの展開だった。 六草いちか氏は調査を再開するにあたり一つの仮説を立てる。エリスは鷗外の子供を身ごもっており、ドイツに帰ってから産んだのではないか、というのだ。 そう疑う理由はある。まず不幸な結末にもかかわらずエリーゼが鷗外と文通をつづけていたこと。日本くんだりまで行ったのに追い返され(帰りの船の件で森家はエリーゼにひどい仕打を
![『それからのエリス』 六草いちか (講談社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e20e06b73d28bd188dcfac7539753b64490d4964/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2FK%2FKinokuniya%2F20180502%2F20180502192424.jpg)