少子化で18歳人口が減少し、定員割れの私立大が半数近くに上るなど、厳しい運営を迫られる大学が少なくない。「大学全入時代」の到来で希望すればだれでも大学生になれる一方、学生の獲得競争に敗れて淘汰(とうた)され、廃校が決まった大学の学生からは、「留年や休学して在学途中で大学がなくなったら、どうすればいいのか」と不安の声が上がっている。 文部科学省によると、4年制の私立大は平成20年度で591校あり、2年度の372校から約1・6倍も増加した。しかし、日本私立学校振興・共済事業団の20年度調査では、定員割れした私立大は約半数の266校に上った。このうち、29校は定員の半数にも満たなかった。 定員割れの大学は、地域別では北関東や北陸、中国、四国地方で多く、学生数では800人未満が目立つという。都心の大規模校に学生が集中し、地方の小規模校ほど厳しい運営を迫られるという「二極化」の実態も浮かんでいる。