先週、毎日新聞の調査により、教員の過労死がこの10年間で63人に上ることが明らかとなった。ただしこれは、「少なくとも」と言わなければならない。なぜなら職員室では、過労死認定の重要な根拠となるはずの労働時間が、そもそも把握されてこなかったからだ。「働き方改革」を掲げている政府は、これまで教員の過労死の数を把握しておらず、認定された数が公になるのはこれが初めてのことだ。 二つのブラック 「長時間労働」と「不払い労働」 学校という職場には、二つのブラックとそれを支える一つの法律がある。ブラックの一つ目は、「長時間労働」である。 文部科学省が2016年度に公立校の教員を対象に実施した「教員勤務実態調査」では、「過労死ライン」(月80時間以上の時間外労働)を超える教員が小学校で3割、中学校で6割ということが明らかになっている。 ブラックの二つ目は、時間外労働の対価が支払われていない、すなわち「不払い
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