知識インフラとしてのデジタルアーカイブの推進に向けた提言 2011年2月から9回にわたって開催されてきた総務省の「知のデジタルアーカイブに関する研究会」が,2012年3月に「知のデジタルアーカイブ」の実現に向けた提言を発表した。 ここでいう「知のデジタルアーカイブ」とは,2011年8月に閣議決定された国の第4期科学技術基本計画等で述べられている「知識インフラ」(E1149参照)である,とされている。日本が国際的な競争力を高めていくためには,国内のあらゆる知的資産に対して国民が容易にアクセスできる知識インフラをインターネット上に構築することが必要である。その中で,図書館,博物館・美術館,文書館等の「知の記録機関」(Memory Institution)によるデジタルアーカイブは知識インフラの中核をなす可能性を持っているが,多くの中小規模館においてはコストや人的資源の不足からその構築が進んでい