- 若葉マーク管理者に捧げる - LinuxやUNIXをWindowsのファイルサーバ/プリントサーバとしてしまうことができる「Samba」は、手軽にファイル共有環境を構築することができ、サーバ管理入門にもぴったりです。インターネット上の関連情報も豊富ですが、しっかり出所を確かめないと誤った設定を招く恐れがあります。 オープンソース・ソリューション・テクノロジ株式会社 代表取締役 チーフアーキテクト 小田切 耕司 2008/4/22 Windowsとのファイル交換を手軽に実現するSamba Sambaは、LinuxやUNIXをWindowsのファイルサーバ/プリントサーバとしてしまうことができるオープンソースソフトウェア(OSS)です。Sambaの導入によって、LinuxとWindowsが混在する環境で、手軽に情報共有を行えるようになります。 Sambaは、大きく以下の4つの機能を提供しま
Samba 2.2はWindows NT4互換をベースに開発され、Samba 3.0も2.2の上位互換となっている。そのため、Samba 3.0はNT4互換の部分も多く残っているが、Windows Server 2003の機能も多く取り入れられ遜色のない機能を提供している。 Windows Server 2003とSambaの大きな違いはActiveDirectoryの部分であるが、ActiveDirectoryはユーザ情報をLDAPに格納し、認証ではケロベロス認証(チケット方式)を使う。 それに対し、Sambaはユーザ情報をLDAPに格納し、認証ではNTLM認証(チャレンジレスポンス方式)を使う。 そのため、セキュリティ強度はケロベロス認証の方が強いが、拡張性やスケーラビリティではSambaでユーザデータベースとしてLDAPを使うことでActiveDirectoryに劣らない拡張性やスケ
企業への情報システム導入は、必要に応じて段階的に進むのが一般的である。しかしこれを続けていくと、各システムが独自にユーザーを管理する「ディレクトリ」を持つことになる。この場合、管理者から見れば、一人のユーザー情報を変更するにも、複数のシステムを別々に操作しなければならなくなる。またユーザーからすれば、異なるシステムや業務アプリケーションごとに、ユーザー名とパスワードを使い分けなければならない。ユーザー自身のID管理が煩雑になるだけでなく、覚えきれずにパスワードをメモしたりすると、その情報が漏れて侵入被害につながるなど、セキュリティ的にも好ましくない。 またネットワークの規模が大きくなると、クライアントPCやアプリケーションなどの管理作業が膨大になる。小規模なうちは、手作業で管理することもできるが、一定の規模を超えたら、何らかの集中的な管理手段が必要になる。 こうした問題を解消し、ネットワー
LinuxやUNIX上でWindows互換のファイル・サーバー機能やプリント・サーバー機能を提供するオープンソース・ソフトウエア「Samba」。LinuxやUNIXサーバーが,クライアントからはあたかもWindowsサーバーのように見える。このSambaを大規模に導入するユーザーが増えている。Sambaのメリットとデメリットは何なのか。最近Sambaを導入した独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)と自動車輸入販売大手のヤナセの事例から探った。 「1万ユーザーならCAL数千万円,それが不要に」――産総研 産総研は2005年4月,事務部門の約2000人を対象とするファイル・サーバーとしてLinuxの利用を開始した。Samba搭載Linuxサーバー4台がSAN(Storage Area Network)を介して4T(テラ)バイトのディスク装置を共有。ユーザー認証を担当するマスターとスレーブ2
図3●29台のSambaサーバーをLDAPで統合管理 マックスでは,29台のSambaサーバーをOpenLDAPで統合管理している。インテグレーションはNEC,コンサルティングはミラクル・リナックスが担当 図4●東レのバックアップ体制 東レでは,各拠点に2台のSambaサーバーを設置している。2台のサーバーは1日1回相互にデータを複製し,さらにテープ装置にバックアップを取る。インテグレーションはPFU,コンサルティングはミラクル・リナックスが担当 前述のように,LDAPにより,複数のSambaサーバーを統合管理することが可能だ。マックスでは,29台のSambaサーバーをOpenLDAPサーバーで統合管理している(図3[拡大表示])。 管理はすべて本社の情報システムから行っている。「各拠点のサーバーにはディスプレイを接続していない」(システム統括部 鈴木博行氏)。 東レでは,DBサーバーなど
図1●Sambaの概要 LinuxおよびUNIX上で,Windowsのファイル・サーバー機能,プリント・サーバー機能,ドメイン・コントローラ機能をエミュレートするソフトウエア。導入したユーザーは,ライセンス・コストの低さや,ワームの標的になりにくい点などを評価している 企業や公的機関で,Sambaを導入し,Linuxをファイル・サーバーとして利用する動きが広がっている(表1[拡大表示])。大規模に導入するユーザーも増えてきた。ステープラなどを製造するマックスは,全社の24拠点に29台のSambaサーバーを導入,約800台のWindowsクライアントから利用している。東レは6台のサーバーで約2000台のクライアントをサポートしている。 Sambaとは,LinuxなどのUNIX系OS上で,Windows互換のファイル・サーバー機能やプリント・サーバー機能を提供するソフトウエアだ(図1[拡大表示
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