脚本家の山田太一先生はキャリア40年以上の巨匠である。2013年はテレビ放送60周年になるが、その歴史の中で数多くの秀作を残してきた山田先生がご自身の仕事を振り返る講演会が3月22日にあった。 “テレビドラマと私”と銘打たれていたが、NHK放送博物館での講演なのでご自身のNHKでの作品について話されるという内容となった(メモと怪しい記憶頼りですので、実際と異なる言い回しや、整理してしまっている部分もございます。ご了承ください)。 その時あの時の今 私記テレビドラマ50年(河出文庫) 作者:山田 太一 河出書房新社 Amazon 【『藍より青く』の想い出】 昭和33年に大学を卒業して、松竹大船の助監督試験を受けて入りました。木下惠介さんの組につきまして、終わりの頃は木下さんの組の専任のようで。だんだん映画が傾いてきて、思うように撮れない。そこへテレビからつくらないかという誘いがあって、木下さ