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ブックマーク / realsound.jp (155)

  • OGRE YOU ASSHOLEが追い求める“完全な不完全状態” 閉塞的なクリエイションへの静かな問いかけ

    OGRE YOU ASSHOLE(以下、OYA)が、前作から5年ぶりとなるフルアルバム『自然とコンピューター』を発表した。昨年のEP『家の外』以来、俄然存在感を増してきた電子音が、もう一段階も二段階も大胆かつ効果的に用いられ、バンドの演奏との一種異様な配合ぶりを聴かせている。今作は、常に自らの演奏・録音表現の刷新を続けてきたOYAの長いキャリアを振り返ってみても、特に野心的な内容と言えるだろう。共同作曲・作詞を務めるフロントマンの出戸 学(Vo/Gt)に、新機材の使用法をはじめとする制作の実際から、「創造性」に関する思索・問題意識に至るまで、じっくりと話を聞いた。(柴崎祐二) アナログシンセから生まれる歪みやちぐはぐ感 ――前作EP『家の外』でもシンセサイザー類が多用されていましたが、今回のアルバムはそれにも増してエレクトロニックな要素が強くなっていますね。 出戸 学(以下、出戸):コロナ

    OGRE YOU ASSHOLEが追い求める“完全な不完全状態” 閉塞的なクリエイションへの静かな問いかけ
  • 田中敦子、『攻殻機動隊』の歩みを振り返る 「いつでも皆さんのそばにいます」

    映画攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』の初日舞台挨拶が新宿ピカデリーにて11月23日に開催され、声優を務めた田中敦子、大塚明夫、山寺宏一、潘めぐみが登壇した。 『攻殻機動隊』シリーズは、1989年に士郎正宗が『ヤングマガジン増刊 海賊版』(講談社)にて原作コミックを発表して以来、押井守監督による『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』をはじめ、さまざまなシリーズが制作されてきた。その最新作となる『攻殻機動隊SAC_2045』は、『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズを手がけた神山健治と、『APPLESEED』シリーズを手がけた荒牧伸志によるダブル監督体制。これまでの『攻殻機動隊』のアニメーションを制作してきたProduction I.Gと、SOLA DIGITAL ARTSの共同制作によるアニメーションシリーズだ。シーズン1は2020年4月より、シーズン2は2022

    田中敦子、『攻殻機動隊』の歩みを振り返る 「いつでも皆さんのそばにいます」
  • 『ガルクラ』なぜ反骨精神溢れる傑作に? 花田十輝に聞く、キャラを立たせる脚本術

    この春、大きな注目を集めたオリジナルアニメ『ガールズバンドクライ』は、反骨精神を体現するような異色の主人公で話題となり、イラストルックのCGによる多彩な日常芝居と迫力の演奏シーンは、日アニメに新たな新風を吹き込んだ。 リアルサウンド映画部では、シリーズ構成と全話の脚を担当した花田十輝にインタビュー。大胆不敵なガールズバンドアニメがどのようにしてに生まれたのか、話を聞いた。 『ガルクラ』が反骨精神旺盛な理由 ーー作の企画は音楽ものであることは先に決まっていて、上京ものとバンドものにするアイデアは花田さんが出されたそうですね。 花田十輝(以下、花田):そうですね。アイドル音楽ものはたくさん書いたので、今までやっていないバンドものを提案しました。上京ものに関しては以前から書きたいと思っていて、町や新居、人との出会いを描く始まりの物語をやりやすいので、この機会にやらせてもらえればという感じ

    『ガルクラ』なぜ反骨精神溢れる傑作に? 花田十輝に聞く、キャラを立たせる脚本術
  • 日食なつこ×千鳥ノブ対談 音楽とお笑い、表現への対極な姿勢と通ずる信念

    今年活動15周年を迎え、ツアーに展覧会、ベストアルバムのリリースなど、さまざまなプロジェクトを展開中の日なつこ。その節目に、彼女のこれまでの歩みの中で関わってきたさまざまな人と会って話をしたい、というところからスタートしたのがこの対談企画だ。第一弾のお相手として招いたのは、お笑いコンビ・千鳥のノブ。MVの撮影地にわざわざ出向くほど日音楽に惚れ込んだ彼と、初対面からじつに6年のときを経て実現した対話は、ふたりの違いと重なり合う部分をはっきりと浮かび上がらせる、とても興味深いものになった。音楽とお笑い、異なるフィールドで走り続けるそれぞれの哲学や表現への向き合い方をぜひじっくり楽しんでほしい。(小川智宏) エネルギーと向上心の若手時代 ――今年、日なつこさんが活動15周年ということで、それを記念してお会いしたかった方に会ってお話しするという企画で、第一弾はやはりノブさんだろうと。 日

    日食なつこ×千鳥ノブ対談 音楽とお笑い、表現への対極な姿勢と通ずる信念
  • 話が飛ぶ人は体内に複数の時間が流れているーーADHD当事者の作家が描くエッセイ『あらゆることは今起こる』

    小学校1年生のときの教室。クラスメイトたちの当たり前を、自分だけがさっぱり理解できず、それを周囲には悟られないように平静を装いながら、内心はげしく動揺している。もしかしたら自分は気づかないうちに、どこかに存在する「並行世界」に迷い込んだのかもしれない。そう思うと、次第に怖くなってくる。 小説家・柴崎友香の『あらゆることは今起こる』は、そんな「小説の始まり」のようなエピソードから始まる。でも、これは「小説」ではない。2021年9月にADHD(「注意欠如多動症」)の診断を受けたという柴崎が書き下ろした、発達障害をめぐるエッセイだ。医学書院の「ケアをひらく」シリーズに収められているのだが、そのコンセプトにたがわず、ひじょうに平易な言葉遣いで、発達障害の特性を知ることができる。著者自身が発達障害についての考えを深める過程と並行して書かれていて、ADHDという言葉を耳にしたことはあっても、充分に考え

    話が飛ぶ人は体内に複数の時間が流れているーーADHD当事者の作家が描くエッセイ『あらゆることは今起こる』
  • 宮台真司×荘子it「テック時代の恋愛論」 濱口竜介監督作『偶然と想像』をめぐって

    最新作『悪は存在しない』が絶賛公開中の濱口竜介監督。そんな濱口監督の過去作の中でも傑作と名高いのが、2021年12月に公開され、第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した『偶然と想像』だ。そんな作について、社会学者・宮台真司とDos Monosの荘子itが対談。濱口竜介作品を観続けてきた2人は、『偶然と想像』に何を見出したのか。 「あるある系」の媚びを越えたもの 『偶然と想像』©2021 NEOPA/fictive 荘子it:僕は2012年に18歳で日大学芸術学部映画学科監督コースに進学して、結局その後ドロップアウトしてラッパーになったのですが、大学1年生の頃にある出会いがありまして。今はなき映画館「オーディトリウム渋谷」で、「濱口、濱口、濱口」っていうキャッチコピーとともに若手監督・濱口竜介の特集上映をしていたんです。「濱口竜介って誰それ?」状態のまま観に行った

    宮台真司×荘子it「テック時代の恋愛論」 濱口竜介監督作『偶然と想像』をめぐって
  • 『ガルクラ』『数分間のエールを』は日本アニメの“到達点”に 3DCGで追求した手描きの良さ

    「日はアニメの国」だと世界的なイメージとなっているが、その歴史も特徴も、世界のアニメーションの流に位置していたというよりは、独自の表現スタイルを突き詰めることで支持を拡げてきた。 例えば、世界的にアニメーション制作は現在、3DCGを用いることが一般的だが、日は手描きの作画が主流である。 そんな日でも3DCGアニメーションは制作されている。だが、手描きアニメの国ゆえに、常に「手描きの作画と比べてどうなのか」という視点で議論される宿命にある。その議論ゆえなのか、日の3DCGアニメはかなり特異な方向へと発展している。「手描きアニメのエッセンスをいかに取り入れるのか」という課題に挑み続け、来なら1秒24フレームで全身を動かすフルアニメーション表現も可能なところ、敢えてリミテッドな表現の魅力を追求し、立体的な造形物であることを強調するよりも、2Dっぽいルックに見せる努力をしてみたりなど、

    『ガルクラ』『数分間のエールを』は日本アニメの“到達点”に 3DCGで追求した手描きの良さ
  • 菊地成孔×荘子it『構造と力』対談 「浅田彰さんはスター性と遅効性を併せ持っていた」

    浅田彰『構造と力 記号論を超えて』(中公文庫) 1980年代のニュー・アカデミズムを代表する一冊『構造と力 記号論を超えて』が中公文庫で文庫化され、大きな反響を呼んでいる。批評家の浅田彰がドゥルーズなどのポストモダン・現代思想を明晰に体系化した同書は、1983年の初版刊行当時、社会現象になるほどの大ベストセラーとなった。 40年ものあいだ読み継がれてきた名著の文庫化にあたって、リアルサウンドブックでは、音楽家・文筆家の菊地成孔氏とDos Monosのラッパー・トラックメイカーの荘子it氏が書について語り合う対談を行った。菊地氏は2003年、自身が主催するバンド・DC/PRGで『構造と力』と題するアルバムを発表するなど、浅田氏から影響を受けている。荘子it氏は、学生時代に菊地氏の著作などから遡る形で書『構造と力』を知って、読み耽ったのだという。第一線の音楽家の二人は、書をどのように読ん

    菊地成孔×荘子it『構造と力』対談 「浅田彰さんはスター性と遅効性を併せ持っていた」
  • “コミュニケーション禁止”の官製メタバース『ぷらっとば~す』に感じた3つの課題

    メタバースなのにユーザー同士のコミュニケーションが禁止されている」とX(旧Twitter)で大きな話題になっているのが、2024年5月の孤独・孤立対策強化月間のために内閣府が提供している特設メタバース『ぷらっとば~す』だ。 アバターの姿でコミュニケーションできるメタバースは孤独・孤立対策に有用そうだが、肝心のユーザー同士のコミュニケーションが禁止されていると聞くと、一見元も子もないように思える。 この記事では、ソーシャルVR等のメタバースで日常生活を送るヘビーユーザーの一人である筆者、VTuber・作家のバーチャル美少女ねむが『ぷらっとば~す』の体験の違和感、内閣府の狙い、利用して感じた3つの課題、そして仮想空間による孤独対策の可能性を整理して解説する。 『ぷらっとば~す』実際に体験してみた まず、実際に「ぷらっとば~す」を体験してみたところ、なかなかにショッキングな体験だったので順を追

    “コミュニケーション禁止”の官製メタバース『ぷらっとば~す』に感じた3つの課題
  • 聖徳太子はなぜ「超能力者」として語られるようになったのか? 偽史言説や陰謀論のメカニズム

    『隠された聖徳太子――近現代日の偽史とオカルト文化』(ちくま新書) 『隠された聖徳太子――近現代日の偽史とオカルト文化』(ちくま新書)は、日史上もっとも神秘的な「聖人」である聖徳太子が、1000年以上ものあいだどのように語り継がれてきたのかを辿ることで、その時代ごとに人々がなにを求めていたのかを探った一冊だ。戦前/戦後の聖徳太子像の変化や、1970年代のオカルトブームにおける聖徳太子像などを捉え直し、「歴史」と「偽史」の曖昧な境界を歩む書は、昨今流布する陰謀論などについて改めて考える上でも有益な読み物と言えるだろう。著者のオリオン・クラウタウ氏に、オカルトや偽史も含めて聖徳太子を研究する意義を聞いた。(編集部) オリオン・クラウタウ氏。東北大学大学院国際文化研究科准教授。 専門は宗教史学(近代日仏教)。 ――そもそもクラウタウさんは、聖徳太子の存在をどのような文脈のもとに知ったの

    聖徳太子はなぜ「超能力者」として語られるようになったのか? 偽史言説や陰謀論のメカニズム
  • 同人誌、なぜ電子より紙の本が人気? 大人気ぬいぐるみ“だいあぱん”「合同誌」制作者を動かす圧倒的熱量

    やさかはちる氏が主宰者となり、制作した合同誌。表紙のデザインからの体裁、紙質まで、とにかくすべてにこだわった力作。市販されている雑誌のようである。 ■ファンが集まり合同誌を制作! コミックマーケットなどの同人誌即売会は、紙媒体の魅力を存分に感じられる場でもある。特に、同人誌が誕生したころから普遍的な人気がある「合同誌」は、電子書籍が全盛になっても盛んに制作され、衰える気配がない。同じ志や趣味をもつ者同士が集まり、一冊のを作り上げる楽しみは何物にも代えがたいためだろう。『キラッとプリ☆チャン』の合同誌を制作したやさかはちる氏に、その魅力を聞いた。 ――やさかはちるさんは『キラッとプリ☆チャン』に登場する“虹ノ咲だいあ”のぬいぐるみ、通称“だいあぱん”のファン同士で合同誌を制作したそうですね。キャラクターの、しかもぬいぐるみのファンが集まるとは…… かなりマニアックな取り組みだと思いますが

    同人誌、なぜ電子より紙の本が人気? 大人気ぬいぐるみ“だいあぱん”「合同誌」制作者を動かす圧倒的熱量
  • ミン・ヒジン、NewJeansを成功に導いた異端の発想 「トレンドを無視した方がむしろ創意に富む」

    NewJeansの躍進が止まらない。2022年7月のデビューから約1年半、彼女たちが何かしらのアクションを取る度に大きな話題を呼び、その一挙手一投足から目が離せない状況が続いている。2023年に輝いたアワードやノミネート、日々更新されるレコードを上げ出したらキリがなく、もはやその人気ぶりは説明不要と言っても過言ではないだろう。 そんな彼女たちの活躍を支えるのが、総括プロデューサーのミン・ヒジンだ。S.M.entertainmentからキャリアをスタートした彼女は、デザイン面を受け持つクリエイティブディレクターとしてSHINee、f(x)、EXO、Red Velvetらの制作に携わり、人気グループへと押し上げるのに一役買った。そこからHYBE(当時はBig Hit Entertainment)へ活躍の場を移し、2021年にHYBE傘下の新規レーベルADORを設立。その第一弾としてNewJea

    ミン・ヒジン、NewJeansを成功に導いた異端の発想 「トレンドを無視した方がむしろ創意に富む」
  • クラムボン ミト、音楽家としての原体験 TM NETWORK、大江千里ら輩出したEPIC・ソニーの革新性

    クラムボン ミト、音楽家としての原体験 TM NETWORK、大江千里ら輩出したEPIC・ソニーの革新性 前から気になる存在だった音楽家 ミト。クラムボンを筆頭に独自スタイルのベースプレイで魅せる達人としてもリスペクトしているが、それにとどまらないマルチミュージシャン、コンポーザー、プロデューサーとしての活動にも目を見張る。TM NETWORK関連のイベントで嬉々として語る姿を初めて観たときには「あれ!? 意外と近い趣味の方なのかな!?」と意外に思ったものだ。 僕らが愛するEPIC・ソニーはレーベル設立45周年を迎えて、2023年末には『EPIC 45 -The History Is Alive-』という3ディスクで代表曲が全45曲並ぶ、いわばオールタイムベスト盤が発売された。そもそもこうした企画が旧譜のみならず、近年の音源を含めて現在進行形のロックレーベルとして成立できるところがまさにE

    クラムボン ミト、音楽家としての原体験 TM NETWORK、大江千里ら輩出したEPIC・ソニーの革新性
  • ヒャダイン×光田康典『スーパーマリオ』対談 サントラの緻密な仕掛けからゲーム音楽の変遷まで

    今年4月末に公開されて以降、国内興行収入140億円、総動員数が980万人を突破し、日で公開された洋画アニメ作品歴代2位の興行成績を叩き出した映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。さらに全世界興行収入は13億ドル(約2,039億円)を突破し、歴代興行成績の第17位を記録するなど、まさに歴史に残るメガヒットムービーとなっている。原作である任天堂のゲーム「スーパーマリオ」シリーズへのリスペクトとオマージュがふんだんに込められ、大人から子どもまで存分に楽しめる作だが、そのオリジナルサウンドトラックのCD/LPが8〜9月にかけて発売された。 今回は、数々のポップスからアニメ/ゲーム劇伴までを手がけるヒャダインと、「クロノ・トリガー」や「ゼノブレイド」シリーズをはじめ、『マリオパーティ』でも作曲を担当している光田康典による対談をセッティング。たくさんの仕掛けが詰まった『ザ・スーパーマリオ

    ヒャダイン×光田康典『スーパーマリオ』対談 サントラの緻密な仕掛けからゲーム音楽の変遷まで
  • くるり×田中宗一郎が語り合う『感覚は道標』が2023年に生まれた意味 オリジナル編成で見出した“原点回帰ではない新しさ”

    くるり、14枚目のアルバム『感覚は道標』(10月4日発売)は、バンド結成時のドラマー・森信行を迎えて、オリジナル編成で制作された作品である。その制作過程を追いかけたバンド初のドキュメンタリー映画『くるりのえいが』 の公開も10月13日に迫る中、リアルサウンドでは前回(※1)に引き続き、くるりと音楽評論家・田中宗一郎による対談をセッティング。メンバー3人での再集結の経緯に始まり、スタジオ選び、サウンドやリズム、楽曲構造、歌詞……など、多方面から『感覚は道標』という作品を捉えていく。(編集部) 偶然と時の流れが実現させた、くるりのオリジナルメンバー再集結 ――今回、どんな経緯によってオリジナルメンバー3人でアルバムを作ることになったのでしょうか? 岸田繁(以下、岸田):今回が初めてじゃなく、これまでも何度か一緒にやっていたんですよ。イベントでリユニオン的にライブに出てもらったり、2回くらいプリ

    くるり×田中宗一郎が語り合う『感覚は道標』が2023年に生まれた意味 オリジナル編成で見出した“原点回帰ではない新しさ”
  • 【漫画】村人たちが崇めていたのはあの巨大ロボ? 文明が滅んだ世界を描いた漫画がおもしろい

    文明が滅んだ世界を舞台とした漫画『仲なおりのおまじない』が2023年8月、X(旧Twitter)に投稿された。とおい未来の世界にはガンダム像や“草”というネットスラングなど、なじみ深いものが多く登場するが、主人公たちは少し異なる認識をしているようで……。 現代と未来の認識のズレに可笑しさを感じてしまう作はどのように創作されたのか。作者・ナカマチさん(@nakamachi_keiji)に話を聞いた。(あんどうまこと) 気になる作品はこちら

    【漫画】村人たちが崇めていたのはあの巨大ロボ? 文明が滅んだ世界を描いた漫画がおもしろい
  • 佐久間宣行が星野源&若林正恭との『LIGHTHOUSE』で感じた“セルフケアの重要性”  「共感性が高いことは大事だが、この時代に生きるのは大変」

    佐久間宣行が星野源&若林正恭との『LIGHTHOUSE』で感じた“セルフケアの重要性”  「共感性が高いことは大事だが、この時代に生きるのは大変」 星野源と若林正恭によるNetflix番組『LIGHTHOUSE』が大きな話題となっている。全6回、月に一度のふたりが“悩み”をテーマに語り合う様子を、半年間記録したトーク番組だ。 星野と若林はこれまで、『あちこちオードリー』(テレビ東京)での星野のゲスト出演や、星野源オフィシャルイヤーブック『YELLOW MAGAZINE 2021-2022』での対談、『星野源のオールナイトニッポン』で披露された楽曲「Pop Virus feat.MC.waka」、オールナイトニッポン55周年記念ジングルなど、数々のコラボレーションと会話を続けてきた。 若き日の葛藤、人間関係の苦しみ、社会への意識、クリエイターとしての内省など、共鳴するふたりが紡ぎ出す言葉に注

    佐久間宣行が星野源&若林正恭との『LIGHTHOUSE』で感じた“セルフケアの重要性”  「共感性が高いことは大事だが、この時代に生きるのは大変」
  • 日本の歴史上、最も有名な武家法「御成敗式目」はなにが画期的だったのか? 気鋭の歴史学者・佐藤雄基に訊く

    1232年、鎌倉幕府三代執権の北条泰時により制定された初の武家法「御成敗式目」は、日歴史上「最も有名な武家法」とも称され、今なお広くその名が知られている。しかし、その内容が詳らかに知られてはいないだろう。 中公新書より刊行された『御成敗式目 鎌倉武士の法と生活』は、同法の主要な条文を詳しく解説、実態や後世への影響を明らかにした一冊だ。著者の佐藤雄基氏に、同書の狙いと「御成敗式目」の先進性について話を聞いた。(編集部) 佐藤雄基氏 ――「御成敗式目」と言えば、昨年(2022年)放送されたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では坂口健太郎さんが演じていた北条泰時が制定した日初の「武家法」として有名ですが、今回それをメインに扱った新書を執筆しようと思った、そもそもの動機やきっかけは何だったのでしょう? 佐藤雄基(以下、佐藤):私はもともと日の中世の法を研究しています。平安時代の終わりから鎌

    日本の歴史上、最も有名な武家法「御成敗式目」はなにが画期的だったのか? 気鋭の歴史学者・佐藤雄基に訊く
  • ラウドロックは世代&ジャンルを越えて広がり続ける 海外メタルシーンの変遷とともに辿る“進化と功績”

    特集「ヘヴィメタルの最新動向」では、2010年代後半〜2020年代にかけて、より越境的な広がりを見せているメタルの現在地について考察してきた。稿では日のオーバーグラウンドな音楽シーン、特にこの夏盛況を見せたロックフェスにおけるメタルやラウドロックに焦点を当ててみたいと思う。 2010年代はバンド自ら主催するフェスが乱立した時代。そこで台頭したのがラウドロックである。ラウドロックは、パンクやメタルをルーツにした“ラウドなロック”を指すざっくりとした呼称だが、バンド自らが主催フェスなどを通して“ラウドロック”を定義づけていくことで、フェスシーン全体の顔役となるまでに進化してきたという歴史がある。また、そうしたラウドロックをルーツに持つ若手世代の台頭で、最新のJ-POP方面からも、メタル的な要素を取り込んだ音楽が少しずつだが頭角を現し始めていることも事実だろう。 そこで、ラウドロックを起点に

    ラウドロックは世代&ジャンルを越えて広がり続ける 海外メタルシーンの変遷とともに辿る“進化と功績”
  • 『らんまん』田邊彰久は朝ドラ史に残る人物に 要潤が演じきった“もうひとりの主人公”

    朝ドラ『らんまん』(NHK総合)における田邊彰久とは一体何だったのか。 田邊教授(要潤)の登場時、彼がここまで人間の持つさまざまな面を体現し、主人公と複雑な関係を築くキャラクターになるとは思ってもいなかった。せいぜい、小学校中退ながら流暢に英語を操り、フィールドワークで得た植物の知識を有する万太郎(神木隆之介)のことを面白がって東大植物学教室への出入りを許し、のちに万太郎にとって大きな障害となる人物……程度としか認識できていなかったからである。 だが、そんな予想を大きく裏切り、田邊は作中盤において、単純な悪役でも、主役を導く師でもなく、槙野万太郎と対をなす第二の主人公として物語に存在した。 日で最初に米国・コーネル大学で植物学を学び、国内における植物学の始祖となった田邊教授。女子教育の必要性を訴え、クラシック音楽とシェイクスピアを愛し、文部大臣の覚えもめでたい超エリート。来であれば他

    『らんまん』田邊彰久は朝ドラ史に残る人物に 要潤が演じきった“もうひとりの主人公”