洛中の中でも一番賑やかで、京都人も観光客も集まって来るのが四条通・河原町通・御池通・烏丸通に囲まれた「歴史的都心地区」。もちろん、このエリアには観光客から見た「京都らしいお店」が詰まっていますが、実はこの四角いエリアから少し外れたところのほうが「地元民度」、つまり普段着のほんまもんの京都に出会える確率が高まります。 「京都らしいお店」といえばすぐに思い浮かぶのが、ここ数年で増えている「町家レストラン」。実際のところ、先祖から受け継いだ町家を個人がこまめに手入れして維持するのは、手間と費用において並大抵のことではありません。風情ある京町家がひとつ、また一つと取り壊されて更地やマンションに変わって行く現実には危機感を感じずにはいられませんが、その流れを食い止めて、保存に一役買ってくれているのが、実は「町家レストラン」なのです。 町家のリノベーション法としては2種類あって、ひとつは外観だけ保存し