日 本 のマスメディアにおける 「北 朝 鮮」報 道 の一考察 ―「北朝鮮」単独呼称への切り替えと背景の分析を中心に― 森 類臣 (同志社大学) 目次 Ⅰ. 研究の目的 Ⅱ. 研究対象/研究の範囲/研究方法 Ⅲ. 朝鮮半島における南北分断国家を現す呼称(略称)のパターン Ⅳ. メディアによる朝鮮半島北部の呼称の変遷 Ⅴ.「北朝鮮」単独呼称におけるメディア側の論理 Ⅵ.「北朝鮮」単独呼称の背景―論調と報道量 Ⅶ.結論 Ⅰ. 研究の目的 本稿の主要目的は、日本のマスメディア(日本の主要報道機関。以下、メディ アとする)が、「北朝鮮」1)報道において、2002年9月から2003年1月にかけてほ ぼ一斉に「北朝鮮」という単独呼称を使用し始めた実態について明らかにし、当 1) 日本では、「北朝鮮」という呼称は、韓国(=大韓民国)と対で一般的に「朝鮮民主主義人民共和国」を指 すときに使