1984年、ソ連の原子力潜水艦とアメリカの空母の衝突事故が起きた。あわや核戦争、さらには第三次世界大戦という危機だったが、幸運にも回避された。だが、事態が別に転んでいた可能性も大いにあった…。 1984年3月21日の朝、日本海にあったソ連の原子力潜水艦「K-314」の水兵たちには、その後の事態は想像もできなかった。まさにその日、彼らが、アメリカの空母「キティホーク」と衝突事故を起こすなどとは…。米側にとっては、 日本海で突如起きたこの“攻撃”は、パールハーバーの奇襲の再現のように思われたかもしれない。 これはまったくの偶発事で、こんな“作戦”は、ソ連原潜の艦長は思ってもみなかった。が、にもかかわらず、この事件は、米ソ両国、さらには全世界の将来に予測不可能な結果を引き起こしたかもしれない。 2隻の艦船はいずれも核兵器を搭載していたので、もしそれが爆発したとすれば、破局的な環境破壊にくわえ、2