前回記事 で、毎月勤労統計調査における抽出率逆数の間違った利用法について解説した。この問題には調査数値復元と比推定のための母集団労働者数推計における層間移動事業所のカウントのふたつの側面がある。それらは2018年1月に始まったというのが厚生労働省の説明であった。*1 毎月勤労統計調査は、この間違った集計方法を現在も使いつづけている。それは重大な問題である。 が、それはそれとして、もうひとつ見逃してならないのは、2018年末に東京都不正抽出が発覚したあと、この間違った方法を使って過去のデータを再集計した ことだ。この再集計作業は、 2017年まで使っていた集計方法が間違っていて、 2018年から導入したのが正しい方法である、 という前提でおこなったのだから、そうなるのが当然である。データの動きからも、そうなっていることが読みとれる――というのは 2021年10月14日の記事 で指摘した。 間
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