出版業界に元気がないと言われて久しい。特に雑誌は1997年に販売売上がピークを迎えたが、Web社会が浸透したことで減少傾向が止まらず、広告収入もWebに押され、苦境に立たされている。出版科学研究所によれば、2006年の雑誌の販売売上は、月刊誌が9523億円で前年比3.9%減、週刊誌2677億円で前年比6.5%減で、月刊誌は過去最大の落ち込み、週刊誌は2年連続の大幅減だった。 一方の書籍販売金額は2006年9326億円で1.4%増だが、これは書籍全体のベストセラー上位30冊のうち、11冊を占めた新書ブームに支えられたもの。昨年は藤原正彦著『国家の品格』(新潮新書)が新書最多となる250万部、昨年9月に発売された『女性の品格』(坂東眞理子著・PHP新書)が今年に入り180万部を超えるなどミリオンセラーといえば新書、というイメージがある。ただ、一部の新書が突出して売れているだけで、新書を出してい