佐戸未和さんは、結婚することが決まっていた。荼毘(だび)に付される際、婚約者の男性が遺体に指輪をはめたという。両親が明らかにした。母親は「心から笑える日は一生来ない」と涙を流した。 「未和が生まれたのは私が31歳のとき。同じ31歳でこの世を去ってしまった。親としてわが子を守れなかった深い後悔の念にさいなまれている」。父親はそう心情を吐露した。メーカーの営業職で、死去の知らせは海外赴任していたブラジルで聞いた。一緒にいた母親は状況が分からず錯乱状態に。急いで現地をたち、夏場で損傷が激しかった遺体と対面した。 それまで父親は「24時間臨戦態勢のような記者の勤務は肉体的にも精神的にも過酷。あの小さな体でよくがんばっているな」と感心していたという。 「パパありがとう。悲惨な誕生日だったけど体調は戻った。忙しいしストレスもたまるし、1日1回は仕事を辞めたいと思うけど、踏ん張りどころだね」