PHS最大手、ウィルコムが2006年10月10日に発表したトップ交代人事が業界で波紋を広げている。携帯電話に押されて「サービス自身が消滅するのでは」(総務省幹部)とも言われた同社のPHS事業を約400万人のユーザーを集めるまでにV字回復させた「中興の祖」である八剱(やつるぎ)洋一郎社長が念願の株式上場も果たさずに26日付で取締役を外れて代表権のない副会長に退き、弱冠42歳の喜久川政樹執行役員経営企画本部長が後任の社長に就くことになったからだ。 同社は「既定路線の若返り人事」と説明するが、八剱氏は直前までインタビューなどで「PHSの技術にさらに磨きをかけ高速化の努力をする」と経営に意欲を見せており、唐突感は否めない。業界では「筆頭株主の米大手投資ファンド、カーライルグループと株式上場問題で対立し、更迭されたのでは」(携帯電話会社幹部)との見方も出ている。 07年10月の上場に向けて準備が進ん
![ウィルコム中興の祖 突然退任の「なぜだ」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f96af5bfcb69442a1d6f27065fb555df036ea43c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.j-cast.com%2Fimages%2Forigin%2F2006%2Ftetn06-2069_pho01.jpg)