昭和2年作家の武者小路実篤(むしゃのこうじ・さねあつ) 和歌山市外の高松に在住中の作家~武者小路実篤は、来る二十日頃から東京へ移り住むことになり、12日夜は「新しき村和歌山支部」主催の送別会に臨み 、13日は午後一時から大阪キリスト教青年記念館で開かれた送別文芸大会の講演会の後、 午後六時から晩餐会に列した 。 14日は 田辺市の錦成青年会及びに田辺詩和会主催の講演会に、 15日七時半からは、大阪放送局に於いて、武者小路実篤の戯曲「佛陀・ 孫悟空」を放送するにつき、前記の戯曲に関する文芸鎖談を試みるべく、マイクロホンの前に立つなど、 連日ほとんど一分の隙もない精力ぶりを発揮している。 武者小路実篤(むしゃのこうじ・さねあつ)(1885~1976)は、白樺派を代表する小説家であり、ゴッホやレンブラントなど西洋美術を日本に最初に紹介した人物。 のちに「人間は自分のために生きていると考えるにはつ