驚いたことがあった。キャンプ終盤から対外試合が始まり、広島メヒアが第1打席に入る時。ヘルメットのひさしに右手をあて、「お願いします」とばかりに球審に会釈をしたのだ。こんな丁寧な外国人選手、見たことがない。まるで日本の高校球児ではないか。 バティスタと2人はドミニカ共和国出身。キャンプは早出から居残りまで、日本人の若手と一緒に練習漬けだった。あいさつや、声だしも日本式。メヒアは「さあ、来い!」と張り上げて内野ノックを受ける。何だか、ほほえましい。 西村通訳は言う。「彼らは育成契約で入り、まず2軍からやってるので通訳がいなかった。そこで周りの日本人選手が、言葉とかあいさつを教えてるわけです」。なるほど。そこでメヒアにあえて、日本語で問いかけてみた。 「日本語、話せるのちょっとだけですね。キャンプ、いっぱいいっぱい練習したよ。大変だった」。好きな日本語は「焼き肉」と「頑張る」だそうだ。礼儀作法を