原子力資料情報室の松久保氏は、「戦闘行為によって外部電源や取水口が被害を受けた場合、核燃料が冷却できなくなるおそれがある」と警鐘を鳴らす。 ザポリージャ原発については、3月9日時点で最悪の事態を免れており、曲がりなりにも運転員の交代勤務が認められている。とはいえ、ウクライナ原子力規制検査庁は、原発周辺での食料確保の困難や、ロシア軍による原発の職員への心理的圧力、職務に対する干渉への懸念を表明している。 チェルノブイリで電力供給が途絶 一方、チェルノブイリ原発の職員約210人は2月24日以来、交代できずに連続勤務を強いられている。職員はロシア軍の人質になっているに等しい。 そうした中、新たな懸念も出てきた。3月8日のIAEAの発表によれば、チェルノブイリ原発における核物質の移動を監視するシステムからデータ送信ができなくなっている。さらに9日、ウクライナのクレバ外相はツイッターで、チェルノブイ