共産党が執行部の若返りに向けた準備を加速している。近年は国政選挙のたびに議席を減らし、在任期間が20年を超える志位和夫委員長(69)への批判につながっていることが背景にある。来年1月には4年ぶりとなる党大会を控えており、党幹部人事にも注目が集まっている。 共産は6月23日、参院議員の田村智子政策委員長(58)が次期衆院選で比例東京ブロックからくら替え出馬すると発表した。田村氏は安倍晋三元首相の「桜を見る会」問題の追及で注目された。「次世代のエースの一人」(党関係者)とされ、翌24日付の機関紙「しんぶん赤旗」はくら替えを1面トップで報じた。 国対委員長を26年間務めている穀田恵二衆院議員(76)と、政策委員長などを務めた笠井亮衆院議員(70)は次期衆院選に立候補せず、今期限りで引退する。穀田氏の後任の国対委員長には塩川鉄也国対委員長代理(61)が昇格する見通しで、次期衆院選比例近畿ブロックで
大阪府の咲洲庁舎の地下駐車場でビニールシートをかけられて置いてある美術作品=大阪市住之江区で2023年7月、山田夢留撮影 大阪府所蔵の美術作品105点が地下駐車場に6年間も置かれた問題で、府は保管場所の変更や活用方法を検討することになった。美術の専門家による「特別チーム」を設置し、展示のあり方を諮るという。 ただ、取材を進めると、約7900点ものコレクションを抱える府に、美術を専門とする学芸員がいないことがわかった。コレクションを誰がどのように守るのか。ハード面だけでなく、人材の不足や責任の所在の曖昧さなどソフト面での不備も見えてきた。 発端は1988年に新美術館の構想ができたものの、府が財政難のため96年に凍結、2001年に白紙撤回したことにある。この間に収集した美術品約7900点は、収蔵されるはずの美術館が造られず行き場を失い、そのうち大型の彫刻など105点は17年から咲洲(さきしま)
建設中の2025年大阪・関西万博会場。海外パビリオンは一つも着工していない=大阪市此花区で2023年7月13日午後6時9分、本社ヘリから中川祐一撮影 開幕が2025年4月に迫った大阪・関西万博を巡り、運営主体の日本国際博覧会協会(万博協会)と建設業界の間に不協和音が生じている。発端となったのは“万博の華”と称される海外パビリオン。23年7月末時点で建設は始まっておらず、地元経済界では「開幕に間に合うのか」といった懸念が広がる。異例の事態が起きている理由とは。 海外パビリオン、間に合うのか? 対立が決定的になったのは7月だ。万博協会の石毛博行事務総長が13日、「(海外パビリオンは)年内に着工できれば開幕に間に合う」と発言。これに対して日本建設業連合会(日建連)の宮本洋一会長(清水建設会長)は21日、「何が根拠なのか分からない。工事期間はわずか1年しかない。ゼネコン各社に聞いても、そんな状況で
ジャニーズ事務所の前社長、ジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害問題を巡り、実態調査のため来日していた国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の専門家2人が4日、日本記者クラブ(東京)で記者会見した。作業部会のピチャモン・イエオパントン氏は「ジャニーズ事務所のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」と述べ、「日本政府が主な義務を担う主体として捜査と救済方法の確保をすべきだ」と強調した。 会見には、イエオパントン氏と、作業部会のダミロラ・オラウィ議長が出席し、外国人技能実習制度や性的少数者など、日本のさまざまな人権課題を報告。日本のメディアとエンターテインメント業界に関して「心の痛む問題について調査を行った」と言及した。「この業界の搾取的な労働条件は、労働法による保護やハラスメントの明確な法的定義の欠如と相まって、性的な暴力やハラスメン
国民民主党代表選立候補の届け出前に記者会見する玉木雄一郎代表=衆院第1議員会館で2023年8月3日午前9時半、竹内幹撮影 国民民主党の玉木雄一郎代表(54)と前原誠司代表代行(61)は3日、玉木氏の任期満了に伴う党代表選(21日告示、9月2日投開票)への立候補を届け出て、一騎打ちの構図が固まった。次期衆院選に向けた党勢拡大の方策を巡り論戦が交わされる見通しで、自民党に接近してきた「玉木路線」を継続するかどうかが問われる。 両氏は、立候補に必要な推薦人(国会議員、地方議員各4人以上)の名簿を選管に提出。玉木氏は、国民民主が支援を受ける連合傘下の産業別労働組合(産別)出身議員を中心に選対を組んだ。投票権を有する地方議員や党員にも産別関係者は多く、玉木氏が選挙戦を有利に進める見通しだ。一方の前原氏は地元・京都に近い近畿地方選出議員らが推薦人に名を連ねた。
映画「バービー」と「オッペンハイマー」のポスターを掲げた映画館=米ロサンゼルスで2023年7月28日、AP キノコ雲のようなヘアスタイルや、原爆が爆発したかのような炎の中でポーズをとるバービー。米国で人気の映画「バービー」の公式X(ツイッター)が、これらのミーム(ネタ画像)に好意的に反応したことから、日本で反発を招いた。この現象をどうとらえればいいのか。米国在住の映画評論家、町山智浩さんに聞いた。【國枝すみれ】 無関係な二つの映画 着せ替え人形バービーの映画「バービー」と、原爆を開発した物理学者の半生を描いた映画「オッペンハイマー」。この二つを融合したミームが問題となった。 町山さんは「二つの映画は、(米国での)公開日がぶつかっただけで、全く関係ない。そもそもミームを作った人は、映画を見ていないか、見ても全く興味のない人でしょう」と解説する。 町山さんによると、「オッペンハイマー」は原爆を
データ利活用についてのイベントで話す河野太郎デジタル相=東京都千代田区で2023年7月31日午後6時9分、町野幸撮影 河野太郎デジタル相は7月31日、東京都内で開催されたデータ利活用に関するイベントに出席した。現行の健康保険証とマイナンバーカードを一体化する「マイナ保険証」について、登録しても利用していない人が多いとして「市役所なり、本当はお祭りなんかでもデモ機を置いて試してみてください、というのをやりたい」などと述べ、国民がマイナ保険証に触れる機会を積極的に設けることで利用を広げたい考えを示した。 河野氏は、マイナ保険証の登録者は約6500万人と日本の人口の半分以上に上るものの「病院では紙の保険証を出している方がまだまだ多い」と指摘。「マイナンバーカードを保険証として試す機会を増やして。1回やっていただくと『(本人確認の)顔認証が簡単だ』と(実感)できると思う」と語った。また「市役所なり
中古車販売大手ビッグモーター(東京)が保険代理店としての立場を悪用し、虚偽の自動車保険契約を結んでいた疑いがあることが30日、分かった。関係者の話を総合すると、個人が所有していない車両を対象とした保険契約が昨年、福井県の店舗で複数確認され、捏造(ねつぞう)に当たると判断された。全国で横行していた自動車保険金の水増し請求に続き、保険業法違反の恐れがある不正が新たに判明した。 金融庁は31日にも同社に報告徴求命令を出し、代理店業務の実態を詳しく調べる。関東財務局も既に同社役員を呼んで任意の聴取を行った。問題が認められれば業務改善命令などの処分を出す。一定期間の業務停止や保険代理店の登録取り消しといった厳しい措置に踏み切る可能性もある。 同社は損害保険各社から委託を受け、中古車を買った客に任意の自動車保険を薦めている。保険契約の成立に伴って販売手数料を得る仕組みだ。 …
毎日新聞のインタビューに答える自然エネルギー財団のトーマス・コーベリエル理事長=東京都港区で2023年6月、川口雅浩撮影 識者に聞く欧州の「原発推進VS脱原発」(下) 「日本には風力、太陽光、地熱などがたくさんあります。再生可能エネルギーとして利用すれば国際収支が改善し、もっと豊かになれるはずです。残念なのは原発を抱える大手電力を政府が保護していることです」。スウェーデンの元エネルギー庁長官で、欧州の電力事情に詳しい自然エネルギー財団(東京都港区)のトーマス・コーベリエル理事長(62)はこう語る。一体どういうことなのか。 ――欧州ではドイツ、イタリア、オーストリアなど脱原発の国もあれば、フランス、英国、フィンランドなど原発推進の国があります。この違いはどこから来るのでしょうか。 ◆二つのグループといっても、実際に各国で何が起きているかを見た方がよいでしょう。原発推進と言われる国でも再エネは
ビッグモーターの店舗に立ち入り検査に入る国土交通省の職員たち=さいたま市緑区で2023年7月28日、幾島健太郎撮影 中古車販売大手ビッグモーターをめぐる動きが慌ただしい。同社は損害保険金を水増しするために車の修理で不正を行った疑いが強まり、国土交通省が7月28日、全国の34店舗に立ち入り検査を行った。店舗前の街路樹が不自然に枯れる問題では、国交省や一部の自治体が調査に乗り出した。渦中のビッグモーターは今どうなっているのか。東京都内の店舗を訪ねてみた。 筆者が訪れたのは都内のある店舗だ。とにかく広い。駐車場は広大で、多数の中古車が並んでいる。筆者が来客用の駐車場にクルマを止めようとすると、営業マンが近寄ってきた。 「冷やかしですか?」。筆者が中古車の購入でもクルマの売却でもないと告げると、営業マンはこう語った。筆者が「ビッグモーターがどんな店なのか見学に来た」と話すと、営業マンは雑談に応じて
日光を当てたポロシャツの表面温度を測る実験。左から赤、白、青、深緑、グレー、黒、紫、黄、緑=国立環境研究所提供 猛暑が本格化している。「黒い服を着ると暑さが増す」というのは定説になっているが、近年、暑さを増すのは黒だけではないことが分かってきた。夏を過ごすのに適した服の色とは。 「黒と近い関係にある色があります」。そう教えてくれたのは国立環境研究所(茨城県つくば市)の一ノ瀬俊明主幹研究員(都市環境学)だ。暑さと服の色の関係を調べている。 太陽から地球には「放射エネルギー」が届いている。物体は色によって放射エネルギーの反射率が異なり、物体に反射されなかったエネルギーは吸収されて熱に変わる。このため、反射率が低い黒い服は熱を持ちやすく、反射率が高い白い服は熱を持ちにくい。 一ノ瀬さんの研究チームは2019年、黒や白など9色のポロシャツを日なたに置いて、日光を5分程度当て、サーモグラフィーカメラ
「特別調査委員会の報告書で不正を知った。耳を疑い、がくぜんとした」。中古車販売大手ビッグモーターの前社長、兼重宏行氏は7月25日の記者会見でこう語った。2時間余の会見で質疑応答はかみ合わず、現場に責任転嫁する発言が次々と飛び出した。耳を疑い、がくぜんとしたのは社員や顧客の方だろう。企業の危機管理のまずさという点で、今回の記者会見は歴史に残るに違いない。 兼重氏は26日付で、副社長だった息子の宏一氏とともに辞任し、「私も息子も経営に一切関与することはない」と主張した。なぜ親子で辞任を急いだのか。 26日は国土交通省がビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題で、同社から聞き取り調査を行うことが決まっていた。悪質な不正や法令違反が認められれば、民間車検場の指定取り消しや停止といった行政処分に踏み切る可能性がある。 兼重親子は国交省の聴取を避けるため、前日に記者会見を開き、辞任を表明した
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