仙台市内のホストクラブで発生した新型コロナウイルスの大規模クラスター(感染者集団)は、13日時点で男性従業員、女性利用客ら計50人の感染が確認され、東北で最大となった。陽性判明が検査を受けた人の6割強に及んでいるのが特徴。市保健所の聞き取り調査からは、店側の感染対策の不備が浮かび上がる。(報道部・伊藤卓哉) ◎発症後も出勤 ホストクラブは青葉区国分町の「PHASE(フェーズ)」。感染状況は図の通りで、いずれも10~30代の従業員20人と利用客ら30人の陽性が判明した。 従業員のうち少なくとも16人は9月中旬、研修を兼ねた社員旅行で北海道に滞在した。その後、21日~10月1日に発熱などの症状が次々と現れ、最終的に全従業員23人のうち20人の陽性が確認された。 感染した従業員のうち12人は発症後も1~7日間、出勤を続けた。9月28日以降、今度は利用客らに次々と症状が現れた。市保健所は「従業員は
ビルやマンションに囲まれた仙台市東二番丁小(手前中央)。運動会で花火は打ち上げず、メール送信などで対応する 「どうして宮城県では運動会の日の朝に花火を鳴らすの?」。聴覚に障害があり、破裂音が苦痛だという訴えが「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。取材を進めると、花火の打ち上げは県内全域に広がる風習だが、音に過敏な最近の社会風潮を反映し、都市部を中心に途絶えつつあることが分かった。 宮城県の小中学校では毎年春か秋に、学校独自の運動会や地域住民も参加する学区民(地区民)運動会が開かれる。打ち上げ花火は当日早朝、校長や町内会長らが気象情報を勘案して決行を決めたことを住民に知らせる合図。複数の学校関係者によると通常午前6時~6時半ごろ、花火業者が打ち上げる。費用は1回につき約1万円で、各自治体の公費で賄われる。 だが、その破裂音に苦悩する住民がいる。 自閉スペクトラム症で聴覚が過敏な家事手伝い
7月4日公示、21日投票が決まった参院選の福島選挙区(改選数1)で、立候補予定者の容姿がたびたび話題に上っている。東北唯一の女性同士の対決構図がほぼ確定し、「美人か否か」を大っぴらに口にする両陣営に一部の有権者は違和感を示す。今回の参院選は「政治分野の男女共同参画推進法」が初適用される国政選挙だが、関係者の意識は旧態依然のようだ。 「見た目は優しい感じでチャーミングでしょう。美人ではないけど」 野党統一候補の元県議水野さち子氏(57)の集会が22日、伊達市であった。席上、総合選対本部長を務める国民民主党の増子輝彦参院議員(福島選挙区)が冗談めかして語ると、集まった支持者ら約120人から笑いが起きた。 増子氏は19日の福島市での集会でも「ご覧の通り決して美人ではないが、非常にチャーミング」と水野氏を紹介した。 伊達市の集会に参加した80代女性は「あんなことを言う必要はないし、同じ女性として『
JR東日本の交通系ICカード「Suica(スイカ)」の解約を巡り、秋田県など東北の一部で不満の声が出ている。対応できる装置が宮城、福島両県の駅にしかなく、未設置の地域は解約がままならないためだ。運賃をはじめコンビニエンスストアやスーパー、自動販売機の支払いにまで使えるスイカだが、利用者に混乱が生じている。 昨年12月上旬、秋田駅で由利本荘市の60代女性がスイカの解約を申し出た。駅構内にあるJR系列のコンビニエンスストアで購入したカードだったが、窓口の担当者の説明に耳を疑った。「新潟駅に自己負担で行き、解約の手続きを取っていただけますか」 秋田駅と新潟駅を往復すると特急の乗車時間だけで約7時間。運賃は約1万4000円となる。 女性は代替策として「手続き可能な駅でJRに解約してもらい、デポジット(預かり金)やチャージ額を秋田駅の窓口で受け取りたい」と提案したが、拒まれたという。 新潟に用事はな
投手の投球数を1試合につき1人100球までに抑える新潟県高野連の「球数制限」に、東北各県の高野連が関心を寄せている。現時点で導入に向けた具体的な動きはないものの、選手のけが防止や育成の観点から他地域にも広がるかどうか注視している。 新潟県高野連は、選手の故障防止や出場機会増を掲げ、今年の春季新潟大会での球数制限を決めた。投球過多は高校や球界の長年の問題。昨夏の全国選手権(甲子園大会)で準優勝した金足農(秋田市)の吉田輝星投手は1回戦から決勝までの計6試合で881球を投げ、ファンを含め影響を心配する声が上がった。 投球過多は肩、肘の故障を招く。宮城県のある公立校野球部監督は「安全確保は指導者にとって重要な役割」と球数制限に理解を示す。 東北の各県高野連もこれまで議論はしてきた。宮城、福島両県の高野連は「数年前、タイブレーク導入を巡る会議で話題になった」と振り返る。 検討が本格化しなかったのは
「娘落第…寄付金3000万円返して」父が岩手医大を提訴 大学側は争う姿勢 岩手医大に十分な寄付をしたのに次女が落第したとして、北海道苫小牧市の父親が大学に寄付金計3000万円の返還を求める訴訟を盛岡地裁に起こして21日、第1回口頭弁論が開かれた。大学側は全面的に争う姿勢を示し、請求棄却を求めた。 訴えによると、次女は5年生だった2014年度末の進級試験で落第。大学から「成績が悪かったのではなく、寄付金の振り込みが遅れたからだ」と指摘を受けて15年3月末、大学に1000万円を送金した。 しかし進級は認められず15年11月、それまでに寄付した全額を返還することで医学部長らと合意したという。 父親の代理人弁護士によると、次女が10年4月に入学する際、大学は6年間に計3000万円以上を寄付するよう求める文書を送付。父親は11年11月までに2000万円を寄付していた。 岩手医大の代理人弁護士は河北新
秋田のソウルフードと呼ばれる氷菓「ババヘラアイス」について、県境を越えたイベント販売などが一部足踏みを強いられている。独特の販売方法に対し、県ごとに許可基準が異なるためだ。今月も宮城での取り扱いを見送ったケースがあり、業者は戸惑いを隠せない。 今月中旬にあった自転車イベント「ツール・ド・東北2018」の主会場(石巻市)で仙台市の業者がババヘラを販売しようとしたところ、石巻保健所の許可が下りなかった。 業者は「問答無用で駄目と言われた感じ」と残念がる。保健所が問題視したのはババヘラを保存用の容器からへらですくい、コーンに盛り付ける売り方だった。 宮城県と仙台市には、イベントなど仮設店舗の営業許可や食品の扱い方を定めた要領がある。アイス類は「ほこりが入る」などとして容器からすくって売る方法を禁じている。 秋田県の場合、タンク式の手洗い設備を用意するなど一定条件下でババヘラの屋外販売を認めてきた
<東北大雇い止め>非常勤講師ら大学側を告発「就業規則変更は無効」 東北大が3000人規模の非正規職員を3月末以降、順次雇い止めにする問題で、非正規の雇用期間を最長5年と変更するなどした2014年や16年の就業規則改正は違法だとして、首都圏大学非常勤講師組合のメンバー3人が11日、労働基準法(就業規則変更の手続き)違反の疑いで、東北大と里見進総長、理事7人を告発する書面を仙台労働基準監督署に提出した。 労基法は、就業規則を変更する際に労働者の過半数を代表する人から意見を聞くよう使用者に義務付けている。告発状によると、東北大は14年や16年の変更を前に、13年3月や15年3月に実施した代表選出の手続きに非常勤講師らを参加させなかったという。 メンバーは「非常勤講師らを参加させない過半数代表の選出は13年、一橋大が労基署から違法と指導されている。東北大でも違法に変更された就業規則は無効だ」と主張
<山形大アカハラ自殺>非公表は「時代錯誤」学生ら、大学の姿勢疑問視 アカデミックハラスメントが原因で山形大工学部の男子学生が自殺した問題で、同大の学生たちからは3日、自殺した学生を悼むとともに、情報公開に消極的な大学の姿勢を疑問視する声が上がった。 大学は助教の懲戒処分を発表した際にも学生の自殺を伏せ、1年半余り明らかにしなかった。工学部3年の女子学生(21)は「今どき隠そうとするのは時代錯誤。研究成果のようないいことばかり公表して、嫌なことは表に出さないという姿勢はいかがなものか」と対応を疑問視した。 「自殺について全く知らなかった」と話すのは工学部2年の男子学生(19)。大学は今後の学生への説明に関し、訴訟の判決を踏まえて判断する方針を示しているが、「裁判になる前に事実関係は公表すべきだ。事実だとしたら、自殺した学生が気の毒すぎる」と思いやった。 大学が学生の自殺を防げなかったことへの
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