ジャーナリスト・まつもとあつし氏が、出版業界に転がるさまざまな問題、注目のニュースを深堀りする連載企画です! 日本の出版を支えてきた「取次」に訪れた危機 日本出版販売グループ(日販)の2018年度決算が5月29日に発表された。それによると売上高は前年比5.8%のマイナス、純損失は2億円と19年ぶりの赤字となったことが明らかになった。日販はトーハンと並ぶ日本の出版流通大手であり、年商は5000億円を超えている。(これは出版最大手の集英社の約5倍の規模だ)。世界的に見ても独自と言われる日本の出版流通、それを支えてきた企業=取次に何が起こっているのだろうか? 日販・トーハンは出版流通の7割以上のシェアを持っているとも言われる。2社だけでこれだけの流通を担っている例は世界でも珍しい。このような形になったのは、終戦直後のGHQがメディアコントロールを効率的に行うためだったともされるが、その政策によっ
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