元号の韻律構造 4月1日に新しい元号「令和」(Reiwa)が発表されました。「令和」ははじめて漢籍ではなく国書(今回は万葉集)から選ばれたということで、新聞等では「元号1300年の転換」などと話題になっていますが、言葉のリズム(韻律)という点から見ると、これまでの伝統からはずれるものではありません。むしろ言語学的には予想通りの元号であり、これまでの元号と同じようにリズミカルな構造を有しています。 元号のリズムを理解するためには、漢語の構造を理解する必要があります。元号は基本的に漢字2文字で、訓読みではなく音読みです。 音読みの漢字には昭和の「昭」のように2拍の長さのものと、「和」のように1拍のものしかありません。2字漢語となると、2拍+2拍、2拍+1拍、1拍+2拍、1拍+1拍の4種類しか組み合わせがないのですが、過去の日本の元号は、この点において大きな偏りを示します。 250近い元号を調べ