心と身体の性が一致せず苦悩する「性同一性障害(GID)」で医師の診察を受けた人が、全国の主要専門医療機関で二〇〇七年末現在、延べ七千百七十七人に上ることが二十一日、日本精神神経学会・性同一性障害に関する委員会(中島豊爾委員長)の調査速報値で分かった。日本初のGID患者の全国統計。調査結果は、診断と治療のガイドライン作成から十一年を迎える医療現場の検証や、行政の施策などに活用されそうだ。(霍見真一郎) 〇四年七月に施行された特例法は、独身の成人で子どもがおらず、性別適合手術(性転換手術)をしているなどの条件を満たせば、戸籍の性別変更を認めている。 しかし、〇七年末までに性別変更が認められたGID患者八百四十一人(最高裁判所速報値)に対し、国内で手術したのは二百二十人。多くは海外で手術している実態が今回の調査で浮かび上がった。 調査対象は、岡山大や埼玉医大、大阪医大、関西医大など全国九つのジェ