会社を辞めたのは、28歳のときだった。 システムエンジニアとして残業につぐ残業、休日出勤につぐ休日出勤な毎日を送っていた僕は、ただひたすら定時帰宅にあこがれていた。 そして、システム屋とは名ばかりにExcelで文書を作成する仕事しか回ってこない会社に嫌気がさし、プログラマに転職したいともずっと考えていた。 定時帰宅とプログラマ。 日本のIT業界のブラックっぷりが世の中に知れ渡って久しい2013年、その両方を手に入れる方法は何か? ……海外への脱出しかない。こうして僕は、5年の社畜生活の間に貯めた資金を全て放出し無一文になる覚悟でニュージーランドへと旅立ったのだった。 30歳が挑戦のタイムリミットだと思っていた 当時の僕は、無職のまま30歳を超えることをとても恐れていた。ニュージーランドでの転職が100パーセント成功する保証なんてどこにもない。大学へ留学した時点で29歳、1年経って卒業したら
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