東日本大震災の津波で浸水した仙台市東部地区の農地1800ヘクタールのうち、農地の復旧が最も遅れていた水田約200ヘクタールでことし、4年ぶりの田植えが行われている。水田は養分を豊富に含んだ表土が津波で削り取られるなど難問山積だが、生産者は「手をこまねいてはいられない」と語り、営農再開に踏み切った。一部の区画では、作業の省力化やコストを削減するために直播農法を取り入れた。 宮城県道塩釜亘理線の沿線に位置する若林区荒浜地区は、震災から3年を経てようやく田植えにこぎ着けた。このうち水田16ヘクタールを受け持つ「荒浜集落営農組合」は22日、組合員ら約10人が参加し、水を張った田んぼにひとめぼれの苗を植えた。 水田は震災で最大50センチ地盤沈下した。今でも塩分濃度が高い地下水の影響を受けており、耕すたびに大小の石など震災がれきが顔をのぞかせる状態だ。昨年は、土壌回復の効果があるとされる大豆の栽培