「現実はつまんないよね!」「みんなもそう思うだろ?現実なんて、つまんねえよね!」 体調を崩して暫く寝込んでいた。熱にうなされたなか、とあるネットラジオで誰かが叫んでいた、「現実はつまんないよね!」という台詞が頭から離れず、とりとめの無いことを繰り返し考えていた。 現実は、つまらない、という。現実じゃないモノのほうが面白くて、ドキドキできるということなんだろうか。現実よりも面白いモノがあるとしたら----例えばそれは、アニメや映画のようなフィクションかもしれないし、直には会うことの無い人との、インターネット上のコミュニケーションのことかもしれない。逆に考えると、ネットラジオでつまらないと言い放たれていたところの「現実」というのは、一体どこにあるんだろうか?「現実」と言って僕が連想したのは、例えば厳しい雇用情勢とか、いっこうに増額しない預金通帳とか、ややこしい恋愛市場とか、その辺りの諸々だった