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「うたかた」という美しい言葉が日本語にある。『広辞苑』によると、「はかなく消えやすいことのたとえにつかう」とある。多くは、不老不死が叶わぬ人間の短い命に重ねて使われるが、近代科学の結晶とも言えるクスリにも、実は当てはまる。夢の特効薬と期待されて登場しながら、予期せぬ副作用などで市場からの退場をたちまち迫られた薬剤は枚挙に暇がない。今年の春、俄かに人口に膾炙した「アビガン」も、以降の形跡を辿る限り、うたかたのクスリで終わりそうな気配が強まっている。 新型コロナウイルスが引き起こす同ウイルス感染症の拡大が、国内外で一向に止まらない。特に国内の状況は、社会や経済への影響を最小限にしながら、感染拡大防止の効果を結果として最大化した「日本モデル」の勝利と胸を張ったのも束の間。わずかに都内に残っていた“燃えさし”から、再び全国へ伝播していく展開となっている。 突如、蘇った 幸いにして、足元の重症化率・
新型コロナウイルスの治療薬の候補として期待されている「アビガン」について、患者に投与する臨床研究で明確な有効性は確認できなかったなどとする結果を愛知県にある藤田医科大学などのグループが発表しました。 臨床研究は「初日から最長で10日間アビガンを投与するグループ」と、「最初の5日間は投与せず入院6日目以降に投与するグループ」で比較して調べています。 発表によりますと、「初日から投与したグループ」では6日目までにウイルスが検出されなくなった患者は66.7%でしたが、「5日間投与しなかったグループ」では56.1%でした。 また熱が下がるまでにかかった平均の日数は、初日から投与すると2.1日、5日間投与しなかった場合は3.2日だったということです。 研究グループは、入院初日から投与した方がウイルスがなくなったり、熱が下がったりしやすい傾向は見られたものの、統計的に明確な有効性は確認できなかったとし
題名のとおりですが、早く承認しろだの増産だの規制緩和だの、風説がひとり歩きしていて見てられないので、ちょっと水をかけてみます。 アビガンばなしは何もかもがツッコミどころしかなくてどこから始めればいいのか迷うのですが、とりあえず下の3分類に整理してみます。 1. アビガンがCOVID-19に効くという証拠はない 2. アビガンがCOVID-19に効きそうだと考える理由は薄弱 3. 仮にアビガンがCOVID-19に効いたとしても、状況を変えられそうにない 1. アビガンがCOVID-19に効くという証拠はないここに疑問はないですね?いいですよね? だめですか。だめなんでしょうね。わかりましたよ。説明しますよ。 ないものはないので、ないことは証明できないので、説明も何もないのですが。 テレビでも新聞でも「期待されている」とかの言い方はあっても「効く」とは言ってないですよね。この「期待」というのは
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