“ものづくりIT”で理想の製造業を実現する 独自の進化を遂げた日本の携帯電話が“ガラケー”と揶揄されているように、日本市場向けにあまりに独特な形に高機能化し、ガラパゴス化した製品は海外では通用しない。しかし、社内のプロセスはガラパゴスでもよいはずだ。もともと日本の製造業の武器である擦り合わせ能力は、会社の文化や社風が共有されてこそ最大に発揮されるものである。しかし、製品が複雑化し拠点がグローバルに分散するようになると、この前提も危うくなってくる。 このような危機を補うのがITの役割だが、このITに関して、設計を支えるPLMシステムや、調達や製造を支えるERPシステムなどのように、全社システムの統合が理想だと考える人も多いだろう。しかし、多岐にわたり日々変化する業務プロセスにマッチした、巨大なシステムを開発するのは現実的ではない。資金力に余裕のある大企業ならこのようなシステム構築にある程度は
スウェーデン王立科学アカデミー(The Royal Swedish Academy of Sciences)は2012年10月9日,2012年のノーベル物理学賞の選考結果を発表した。受賞者は,フランスCollege de France and Ecole Normale SuperieureのProfessorであるSerge Haroche氏と、米National Institute of Standards and Technology(NIST)のグループ・リーダーで米University of ColoradoのDavid J. Wineland氏。受賞理由は、孤立した量子システムの測定や制御をする実験手法を開発したことだとする。共に、量子力学の基礎を実験的に検証する手法で、量子コンピュータ実現の基礎にもなる技術である。 具体的には、Wineland氏は「イオン・トラップ」と呼ばれ
中国で第12次5カ年計画(十二五計画)により積極的な産業構造および体制の調整が行われているが、ここしばらくは「世界の電子製品の主要生産基地」という位置付けに変わりはない。これは、電子機器のキーパーツである様々な能動・受動素子を搭載し、端末製品技術の発展を大きく左右するプリント基板(PCB:printed circuit board)においても言える。中国はPCBを近隣地域の関連メーカーへ供給し、顧客サービスを行うなど、世界の主要生産基地となっている。 台湾工業技術研究院IEKの統計によると、2011年の世界PCB生産額は591億5000万米ドルである。このうち中国が43.1%(2010年は40.3%)、日本が16.0%(2010年は18%)、台湾が12.3%(2010年は12.8%)を占める(図1)。2015年は、中国のPCB生産額が343億2000万米ドルに達し、世界の生産額の半数に迫る
文部科学省は2012年10月4日に東京都千代田区で開催した「日本再生を牽引するセンター・オブ・イノベーション(COI)の構築」事業説明会で、今後の新政策「革新的イノベーション創出プログラム」(通称、COI STREAM)事業の公募までのタイムスケジュールなどを、大学や公的研究機関(研究系独立行政法人)などに説明した(「文科省、概算要求額110億円の来年度の新政策COI事業を説明」)。 新政策「革新的イノベーション創出プログラム」を平成25年度(2013年度)から始めるために逆算すると、公募までのタイムスケジュールは以下のようになる。平成24年度の秋にまず有識者懇談会を開催し、事業内容やスキームなどを検証する。この後に、文科省などが設けるCOI推進委員会(仮称)は、各COI拠点(大規模型とフォーカス型併せて12拠点程度)に課す課題テーマを策定する。この課題テーマは、異分野融合による産学連携体
これから、日本のものづくりを、PLM(製品ライフサイクル管理)と関連付けて書いてみたい。もちろん、両者とも過去・現在における定義のものではなく、これからの日本のものづくりと、これからのPLMである。 日本のものづくりは、戦後最大の岐路に立たされているといってよい。決してこれからが悲観的なことばかりではないが、それ以上に全く楽観はできない。まさに、これからの戦略作りと実行力、その戦術の一つのITをどう活用するか、などが鍵になるのではないか。 本連載で述べたいことは、次の4つのことである。 (1)これからの日本のものづくりは、“もの・ことづくり”まで狙うべき “物=製品”から“もの=商品=商って価値・魅力のある製品”へと、思想の転換がぜひとも必要である。これはさらに、最終提供価値(=サービス・ビジネスモデル)を含めた“こと”まで含むべきであろう。 数年前より、日本のものづくりに必要なことは“も
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