斎藤元彦・前兵庫県知事(47)の失職に伴う知事選(17日投開票)を巡り、同県市長会の有志は14日、無所属で立候補している前尼崎市長の稲村和美氏(52)を支持する意向を表明した。県内29市のうち22の市長が賛同しているという。投開票の3日前に大半の現職市長が特定の立候補者の支持を表明する事態となった。 県庁で記者会見を開いた市長会長の酒井隆明・丹波篠山市長は「これ以上の県政の混乱に終止符を打ってほしい」とし、尼崎市長を3期12年務めた稲村氏が新たな知事に適任だと主張した。
投票所で交付される「投票済証」がインターネットのオークションサイトで販売されている。27日投開票の衆院選の投票済証も出品され、1枚数百円の値が付いている。投票済証が商品やサービスの割引に使われたり、投票啓発のためにデザイン性のあるものが発行されたりしていることが背景にあるとみられる。 投票済証は国政選や地方選で投票した人に選挙管理委員会が交付するカード型の証明書。選挙名や発行した選管名、日付などが記されている。 毎日新聞が24日に確認したところ、「ヤフーオークション」や「メルカリ」で複数の自治体選管の投票済証が出品されていた。人気キャラクター「シナモロール」のイラストが入った東京都品川区選管の投票済証や、札幌市・区選管が今回の衆院選で発行し期日前投票で交付されたとみられる「投票所来場カード」もあった。 品川区選管の投票済証には「転売はご遠慮願います」などと記載され、選管の担当者は取材に「大
イスラエルと戦闘を続けているレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員らが保有している無線通信機が17日、レバノン各地で一斉に爆発し、戦闘員1人が死亡、1000人以上が負傷した。ロイター通信などが報じた。無線機は日本で「ポケットベル」と呼ばれていたタイプで、イスラエルによるサイバー攻撃だった可能性がある。 事実であれば、多数の通信機器をハッキングして爆発させる手法は極めて異例だ。イスラエルは関与についてコメントしていない。
能登半島地震で100人超が犠牲となった石川県は死者の人数を公表する一方、7日現在、氏名は一人も明らかにしていない。県は遺族の同意を条件に災害の死者を原則公表する基準を定めているが、手が回らず、公表の見通しも立っていないという。大規模災害時に懸念される行政職員のマンパワー不足が浮き彫りになっている。 「まずは助かる命を優先したいので、安否不明者の情報を収集している。死者は人数を出すので精いっぱいだ」。南良一・県危機対策課長は現状を訴える。 安否不明者の氏名については、内閣府が2023年3月、公表指針をまとめた。速やかな救助活動のため、家族の同意がなくても原則公表できると明記した。
1日に発生した石川県能登地方を震源とする地震で、X(ツイッター)には偽の被害を訴える投稿が相次いだ。 「津波到達になった瞬間NHKのアナウンサーがすごい怒鳴ってる! 危機感の伝わってくるアナウンスなので北陸新潟能登半島の方逃げてください」 地震発生から約3時間後の1日午後7時ごろ、このメッセージと共に、黒い津波が自動車をのみ込み市街地に押し寄せる映像が次々と共有された。投稿は瞬く間に拡散し、2日午後3時時点で約280万回表示され、約3800件の「いいね」が付いた。 しかし、この映像は2011年の東日本大震災で岩手県宮古市を襲った津波を撮影したものだった。X上では「誤った情報流すな」などと非難の声が上がったが、映像は他のユーザーによって転載された。
タレントのryuchell(りゅうちぇる、本名比嘉龍二=ひが・りゅうじ)さん(27)が12日午後、東京都渋谷区内のマンション一室で倒れている状態で見つかり、まもなく死亡が確認された。 捜査関係者によると、マンション内の事務所でぐったりとしたryuchellさんをマネジャーが見つけ、同日午後5時33分に通報。警視庁代々木署員らが駆けつけたときは意識のない状態だったという。 同署は現場の状況などから自殺とみて、死亡した経緯などを調べている。 ryuchellさんは沖縄県から上京して古着店でのアルバイトと並行して読者モデルとしても活動。2015年、日本テレビ系「行列のできる法律相談所」などへの出演をきっかけに人気となった。 16年12月28日にモデルでタレントのpeco(ぺこ=28)と結婚。18年7月11日には第1子となる男児が誕生したが、22年8月に法的な夫婦関係を解消し、今後は「人生のパート
世界初の「歯生え薬」の実用化に向けた研究が、日本のチームによって進められている。先天的に永久歯の数が少ない人に対し、薬を投与して歯を生やすことを目指した治験を2024年7月から始め、30年の実用化を目標とする。動物実験の段階だが、この薬を使って乳歯、永久歯に次ぐ「第3の歯」を生やすことにも成功した。歯生え薬は、歯の再生という新たな歯科治療を切り開くのか。 「歯を生やすのは歯医者の夢。大学院生の頃から、ずっとそのテーマに取り組んできた。絶対にできると確信がありました」。研究を主導する北野病院(大阪市北区)の高橋克・歯科口腔(こうくう)外科主任部長は、研究を始めた1990年代をそう振り返る。その決意から30年あまり。まもなく歯生え薬の治験開始という段階にこぎ着けた。 歯の数が生まれつき少ない「先天性無歯症」の人は、人口の約1%いる。特に6本以上の歯の欠損は遺伝が大きく関係している遺伝性とされ、
生成AIの活用と未来像について語る哲学者の戸谷洋志さん=大阪府枚方市の関西外大で2023年5月23日、三村政司撮影 もしも「チャットGPT」などの生成AI(人工知能)に人々が依存するようになったら、どんな未来が待っているのだろうか。 哲学者の戸谷洋志さん(35)は、2022年刊行の著書『スマートな悪』(講談社)で、余計な手続きを排除する「スマート化」に価値を置く社会に警鐘を鳴らした。科学技術と倫理について研究する戸谷さんは、人間に代わって意思決定するような生成AIの活用をどう考えるか。キーワードとして「責任」を挙げた。 ――生成AIの先行きをどう見ていますか? ◆これからどうなるか見通しがつかない、というのが率直なところです。特にチャットGPTは急速に浸透しているようにも見えますが、今はまだ使って遊ぶ「おもちゃ」にとどまっています。 ただ、それが飽きられて終わると考えるのは、一つの見方でし
ミドリガメとも呼ばれ、ペットとして広く飼育されている北米原産のミシシッピアカミミガメ。繁殖力が強く、捨てられた個体による生態系への悪影響に、各地が手を焼いている。ダメージの大きさから、6月からは法律で、輸入や販売、野外への放出が禁じられる。厄介者にどう対処するか。各地での対策を追った。 松江市中心部にある松江城の堀に浮かべた小舟の上に、直径70センチ、高さ40センチほどあるドーム型のかごわなが引き上げられた。多い時には1日で70匹ほどのアカミミガメが捕獲される。 作業をするのは遠藤修一さん(75)。アカミミガメの駆除に取り組む市民団体「まつえワニの会」代表を務める。 2021年春までは堀を巡る松江名物の遊覧船で船頭をしていた。船を操って街を案内する中で、岸辺にアカミミガメがずらりと並んで甲羅干しする光景がずっと気になっていた。アカミミガメの影響でイシガメなどの在来種が居場所を失いつつあった
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同等に変わるのに伴い、厚生労働省は感染者の死亡者数の統計について、最短であれば死亡から2カ月後に公表することにした。病院からの報告を求めている現行の方式を取りやめる影響だ。目の前の感染状況が不透明になり、感染対策が取りづらくなるとの懸念が専門家から上がる。 新型コロナは現在、感染症法では「2類相当」と呼ばれる強い対策を取る位置付けで、国などはこれまですべての感染者の情報についての報告を医療機関に求めてきた。死亡した場合には、医療機関などは年代や死亡日などを都道府県に報告していた。厚労省は都道府県の集計をもとに全国の死亡者数を公表。通常、死亡から数日しかかかっていない。
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