「少しでも条件の良い仕事につきたい」というのは誰もが考えることだ。経済成長めざましい中国ではその貪欲さは人一倍である。 中国江蘇省南京市在住の海(かい)さん(男性・25才)もその一人だ。昨年ある医療機器メーカーへの転職を決意。給料も良く、住居と食事も会社が提供。営業成績次第では、さらに給料アップが見込まれるとのことで、とてもやる気になっていたそうだ。 だが、彼が入社した会社は社員の臓器をも奪い取るとんでもなく悪質なブラック企業だったのである。 海さんが入社して3カ月後、ある病院への出張が決まった。早速現地に赴き、病院側に勧められた水を飲んだところ、彼は意識を失ってしまったそうだ。次に彼が気がついたときは手術台の上に寝かされて、ちょうど傷口を縫合されていたところであった。なんと眠らされている間に2つあるうちの腎臓の1つが摘出されていたのである。 その後、海さんは発熱など体調不良を繰り返した。