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最後の言葉「もう一度だけ、会社に戻る」 「命が大事。もう会社を辞めて」 神戸市須磨区の西垣迪世(みちよ)(66)は平成17(2007)年秋、鬱病で休職し帰省していた一人息子の和哉に、たまりかねて言った。見るからに疲れ果てていたからだ。 就職氷河期のさなか、システムエンジニア(SE)として川崎市内の会社に入って4年目。日本有数の大手企業の子会社だったが、人間らしく働かせているとは到底思えなかった。 「もう一度だけ、会社に戻るよ。それでダメなら帰ってくる」。最後に和哉は母を気遣うようにそう言い残し、社員寮へと戻った。そして復職から約2カ月後の18年1月、鬱病の治療薬を大量に飲んで死亡した。27歳だった。 生前、和哉は迪世にこう漏らしている。同僚にも鬱病患者が多く、自分だけ弱音を吐くわけにはいかないこと。上司の期待に応えたい気持ちがまだあること。もしこのまま退職しても、再就職は難しいこと…。すし
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