中国電力(広島市)で32年間勤めてきた女性が、昇進・昇格や賃金に男女差別があったとして、同社を相手取り、損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が18日、広島高裁で言い渡される。「女性の活躍推進」が政府の経済政策の柱に据えられる中、依然残る職場の男女間格差に、司法はどう答えるのか。 「上司に『本当に助かっている』と言われ、営業で実績を上げても、13年間同じ職能等級に留め置かれている間に、12歳以上も年下の男性社員が私を飛び越して昇進・昇格していった。この格差は性差以外では説明できない」 中国電力出雲営業所で営業担当として働く長迫忍さん(50)は2008年、この屈辱を晴らしたいと、差別の是正を求めて広島地裁に提訴した。地裁では敗訴したが、控訴して戦い続けている。 「30年以上働いても会社は『処遇が低くても仕方がない』という。それを司法が認めるなら、女性は頑張って働く意味がなくなる。男女関係