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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (28)

  • 萌えで読みとく名作文学案内

    「萌え」から眺めた文学は、予想を超えた収穫だった。 ようするに、エロリ・ポルノ・恋愛小説なんだが、「萌え」という切り口から見ると、新鮮かつ懐かしい気分になる。オタク、ストーカー、2ch、ギャルゲ、電車男などのアキバ語を駆使しつつ、川端、三島、太宰、谷崎といったブンゴー達を調理する。 「文豪の作品だからといって、必ずしも難解なわけではない。『萌え』ながら読めるよ」というメッセージは腑に落ちるし、萌えポイントの解説は正確無比。だけでなく、作品をちゃんと「読め」るようアシストしてくれる。これまでさんざん誤読されてきた「伊豆の踊子」が、あけすけといってもいいぐらい解説されているので噴いた。 さらに、「萌え」というあやふやなテーマを、作品のバラエティから再定義しようとする。つまりこうだ。一口に「萌え」といっても、様々な種類がある。ロリ萌えやショタ萌えといったスタンダードから、ヤンデレ萌え、猟奇萌えと

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    na23
    na23 2007/12/08
    野坂昭如が入っているのがいい。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 【募集】劇薬小説

    最悪の読後感を味わわせてくれる、劇薬小説を募集します。 サイアクの読後感といっても、人によりけり。あまりのXXX描写に、読みながら吐いたのもそうだし、予想外の展開に「読まなきゃよかった」と激しく後悔するのもあり。もう大人なのに、怖くてオシッコちびっちゃったなんて、サイコーですな。 「トラウマになった」「しばらく何も手につかなくなった」「価値観が変わった」という形容詞が適当だが、ポイントは、「読まなければよかった」という後悔。 知らなければよかった、トラウマになった、何も手につかなくなった、価値観が破壊されたといった、読んだという記憶ごと抹消したくなるようなものこそ、極上の劇薬小説といえる。 そう、読書は毒書。あらゆる小説には、多かれ少なかれ「毒」を含んでる。だから、クスリのように効く人もいるし、微量でも猛毒にもなる人もいる。 毒なのか薬なのか、要は量。小説に「癒し」だの「感動」だの「泣け

    na23
    na23 2007/12/08
    これはいいまとめ記事。全然読んでない。
  • 千賀さんはとんでもないものを教えてくれました、「カイト・ランナー」です: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    乗車率200%の痛勤電車で嗚咽が止まらない。 For you, a thousand times over きみのためなら1000回でも 瞼の裏が頬→喉に直通、胸からそのまま熱いやつがあふれる。揺れているのは電車でなく、わたしの心、酒に強く酔ったようだ。要するに、あまりに強い感情に襲われて、立っていられない。 最初に断っておく。これは、今年No.1スゴ、自信を持って、オススメできる(ナンバーワンがいくつあんねん!というツッコミ勘弁なー)。呵責と償いの極上のストーリーを堪能してほしい。 敬愛する千賀サマが、「全米が泣いた 私は泣いたよ」と太鼓判押したのが"The Kite Runner"、勇んで買ったはいいけれど積読山へ(英語小説は優れた導眠剤)。で、橋の下をたくさんの水が流れ、ようやく邦訳を読めたというわけ。 アフガニスタンの激動の歴史を縦軸、父と子、友情、秘密と裏切りのドラマを横軸と

    千賀さんはとんでもないものを教えてくれました、「カイト・ランナー」です: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
    na23
    na23 2007/11/02
    オススメNo.1だって。
  • ローマ人の物語IX「賢帝の世紀」の読みどころ

    古代と現代は、こんなに離れているのに、遺跡や美術品は、そのままで美しいと感じることができる。同様に、「物語」を介することでもっと身近に感じることができる。納得できる不思議さやね。 「賢帝の世紀」では、トライアヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウスの三皇帝に焦点を当てている。塩野氏一流の、絶妙な隠喩が愉しい。 ■1 ローマの「空洞化政策」 たとえば、「空洞化対策」。パクス・ロマーナをこの言葉で表現しようとする諧謔というか、感覚は面白い。 国は中小企業で、属州は大企業社会という感じだったらしい。資産家(元老院階級)は収益率の高い属州に流れ、その反面で国(ローマ)がどんどん空洞化し、格差が広がっていったそうな。 で、トライアヌス帝が実施した施策は、ずばりアリメンタ(Alimenta)法、育英資金による人口の回復だそうな。今風に言うならば「子育て援助」かね。成年に達するまで、以下の育英資金が

    ローマ人の物語IX「賢帝の世紀」の読みどころ
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    na23 2007/11/02
    いつの日か読む予定
  • 数式なしでわかった気になれる「ゲーデルの哲学」

    岩波文庫で撃沈したが、書から攻めたらすんなり入れた。数式を使わずアナロジーを用いることで、不完全性定理のイメージを上手く伝えている。同時にゲーデルの生涯を追いながら、不完全性定理の哲学的帰結までたどっている。 哲学的帰結は以下のとおり。 全数学を論理学に還元することは不可能である 全数学を公理化することも不可能である この完全な理解にはほど遠いものの、感覚的に分かった。おかげで、あれほど確固なものだった「数学」が、実は「信念」を積み重ねた楼閣に見えてしようがない。わたしは、「数」を信じるように、不完全性定理を信じる。 ■01 受験数学の呪い 「要するにどういうことか」は、理解をすッ飛ばして記憶した。数学は暗記科目――受験数学の呪いは骨の髄まで浸透している。公理と定理を暗記して、adaption パターンを習得するのが「数学」だと思い込んでいた。 そこには、自ら定理を導出する喜びや、新たな

    数式なしでわかった気になれる「ゲーデルの哲学」
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    na23 2007/11/02
    「ゲーデルの哲学的見解」がすごい。神秘家ピタゴラスの正統な血を受け継ぐ者だね。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 【18禁】 嫁に読んでほしくない作品ベスト5

    はてなブックマークコメントも含めて、あまりにも面白い↓ので便乗する [私家版(超有名作家なのに)好きな女性には愛読してほしくない作家ベスト5] ──つもりで書いたのに、かなり極悪なリストになってしまったので、18禁と。後半は、嫁子に読んでほしくないというよりも、人として読むべきでないリスト。もちろん、わたしは大好きなので、明らかにおかしい。興味位は止めておけ、性差ツッコミは無駄無駄無駄ァ、むしろこいつを超える作品があれば激しく募集する。 では始める。 バタイユもサドも潤一郎も、淫蕩モノとして好きだー、けど嫁さんに言わせると「無駄にエロい」らしい。激・し・く・同・意。むしろ乱歩やヤプーが何でないんだろうね。まぁ、エロ特性は人それぞれということで。 また、半強制的にハルヒや名雪(京アニ)を観せてるので、嫁さんはわたしの趣味を知っている。かつ、エロ倉庫は既に発見されているので、今さら隠すものも

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    na23 2007/09/03
    読んでない。たぶん読まない。
  • 「女王陛下のユリシーズ号」は、スゴ本+徹夜小説

    狂喜セヨ、いや「狂気セヨ」なのかもしれない。それこそ狂気のように読んだ、もちろん徹夜。ただし、翌朝目が真っ赤になったのは、震えて泣きながら読んだから。 裏表紙の紹介文より―― 援ソ物資を積んで北極海をゆく連合軍輸送船団。その護送にあたる英国巡洋艦ユリシーズ号は、先の二度の航海で疲弊しきっていた。だが、病をおして艦橋に立つヴァレリー艦長以下、疲労困憊の乗組員七百数十名に対し、極寒の海は仮借ない猛威をふるう。しかも前途に待ち受けるのは、空前の大暴風雨、そしてUボート群と爆撃機だった… 鋼鉄の意志をもつ男たちの姿を、克明な自然描写で描破した海洋冒険小説の不朽の名作 しかしながら、レビューすることはほとんど無い。「凄絶な戦艦戦」とか「苛烈な自然の猛威」といった惹句を並べても自分で空々しい。書き口が「淡々+冷酷」、展開も容赦なし←これで充分。たとえば、きっと夢に見るだろうと恐れている場面(のひとつ)

    「女王陛下のユリシーズ号」は、スゴ本+徹夜小説
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    na23 2007/04/15
    読みたい。
  • 「ブラッド・ミュージック」はスゴ本

    わたしが知らないスゴは、魚蹴さんが読んでいた。あまりベタ誉めしない魚蹴さんが力強く推している[参照]のに惹かれて読了→参った、スゴい、まさかそこまで突き抜けるとは。amazonレビューはこんなカンジ… 遺伝子工学の天才ヴァージル・ウラムが、自分の白血球から作りだした“バイオロジックス”──ついに全コンピュータ業界が切望する生体素子が誕生したのだ。だが、禁止されている哺乳類の遺伝子実験に手を染めたかどで、会社から実験の中止を命じられたウラムは、みずから創造した“知性ある細胞”への愛着を捨てきれず、ひそかにそれを研究所から持ちだしてしまった… どこかで訊いたことがあるイントロ、予想通りに登場人物が動いてくれ、そしてバイオハザードな展開になるんだけど、なるんだけど、なるんだけど── っ ソコまで往くのかよ!と叫びだしたくなる(まだ半分もあるのに)。そして残り半分、実にイロイロな作品の原型を見た

    「ブラッド・ミュージック」はスゴ本
    na23
    na23 2007/03/25
    結局これがベアの最高傑作か。