ここのところ公務員を削減しろ、という声はテレビをつけた瞬間耳に入るくらいよく言われている話である。戦後60年以上たって、従来の行政制度と新たな現実の間に齟齬が生じたり、組織を維持すること自体が自己目的化するようなって身動きが取れなくなっている状態になっていることは確かである。年金記録の保存・整理状態も把握できていなかった社会保険庁の不祥事がまさにそうであるように、中にいる役人たちも自分たちで自分の組織をほとんどコントロールできない状態なのである。 では行政組織や公務員は削減すべきなのかというと、全体としてはもっと増やす必要があることはあまりに明らかだと思う。医療の問題一つ考えれば明らかなように、40年前は自宅で分娩する人が少なくなかったのに対して今はほぼ全ての人が病院で出産するし、「普通に太っている」ことまで「メダボリック症候群」であるとして医療保険の対象になる。一世代前は普通に家族で介護