いまやハッカーがコンピューターシステムに侵入してユーザー名とパスワードの一覧をウェブで公開したり、それを転売したりすることは珍しくない。同じメールアドレスとユーザー名をさまざまなアカウントで使い回すという過ちひとつで、甚大な被害に遭いかねないのだ。クラウドで管理される個人情報が膨大になってきたために、カスタマーサーヴィスの担当をだましてパスワードをリセットすることくらい朝飯前だ。ハッカーは、ひとつのウェブサーヴィスで公開されている個人情報を入手するだけで、別のサーヴィスに侵入できてしまう。 2012年の夏、わたしのデジタルライフは、ほんの1時間でハッカーに崩壊された。自分のパスワードはすべて堅牢だと思っていた。アップルが7文字、Twitterが10文字、Gmailに至っては19文字で、いずれも英数字を組み合わせてあり、なかには記号まで交ぜたものもあった。しかし3つのアカウントがリンクしてい