10月10日の閉店をひかえ、書店「丸善」京都河原町店にレモンを置いて逃げる人があとを絶たないそうです。ムシャクシャするからレモンを爆弾に見立てて丸善爆破を妄想してスッキリ、という梶井基次郎の短編小説「檸檬」にちなんだ行動。爆破するまでもなく閉店するのにレモンを置かずにはいられないなんて、梶井基次郎の愛されぶりがわかろうというものです。ところで梶井基次郎といえば、繊細な作風とゴツイ容貌のギャップが語られがちな作家の一人。真面目な文芸評論ですら、 などと遠まわしに(でもないか)ひどいことを書かれてしまう始末。 しかし桜の樹の下に死体が埋まっていると妄想してみたり、猫の耳を切符切りでパチンと切りたい欲望にかられてみたりと、常人には及びもつかないエキセントリックな妄想パワーはあのいかつい容貌あればこそ、だったのではないでしょうか? というわけで、梶井基次郎の作品とその人生を、例によって非モテ目