水面に浮かぶ黒いドーム状の物体。その向うには、氷山が見える。 南極? と想像がつくものの、それだけでは、何がどうなっているのか疑問符だらけの映像だ。 黒い物体がふいに消えると泡がわきたち、いつの間にか水中が映し出されている。 画面を紡錘形の物体が横切る。それにはしっかりと頭部と呼べるものがついており、顔つきは我々が動物園・水族館、そして写真集・映像などで見慣れたものだ。 ペンギン好きなら一目で見分けるだろう。南極大陸で子育てをするアデリーペンギンだ。 (動画提供:国立極地研究所) まるでこちらを誘うように力強く羽ばたき前を進む。 ──さあ一緒に漁場へ行こうぜ! そんなふうに言っているみたい。 とすると……さきほど見えた、ドーム状物体も……ペンギンの体の一部に見えてくる。 (動画提供:国立極地研究所) 実は、ペンギンの背中に超小型カメラを装着し(つまりペンギンにカメラマンになってもらい)撮影